メモ帳

血液内科関連の論文について,主にアブストラクトの日本語訳を載せています.基本は自分用メモですので,ご利用の際はその点ご了承ください.

未治療の進行期ホジキンリンパ腫に対するブレンツキシマブ・ベドチン併用化学療法の第3相試験

Brentuximab Vedotin with Chemotherapy for Stage III or IV Hodgkin’s Lymphoma

N Engl J Med 2018;378:331-344


背景
ブレンツキシマブ・ベドチンは抗CD30抗体と薬剤の結合物であり、再発または難治性のホジキンリンパ腫に適応がある。


方法
著者らは、オープンラベルの多施設参加、無作為化第3相試験を実施し、治療歴のないstage 3または4の古典的ホジキンリンパ腫664人をブレンツキシマブ・ベドチン、ドキソルビシン、ビンブラスチン、ダカルバジン(A+AVD)群、670人をドキソルビシン、ブレオマイシン、ビンブラスチン、ダカルバジン(ABVD)群にそれぞれ割り付けた。主要評価項目は改変した無増悪生存率(リンパ腫増悪、死亡、または不完全な奏功と次の抗腫瘍治療までの時間)とし、独立した評価委員会から判定を受けた。主な副次評価項目は全生存率とした。

結果
観察期間の中央値は24.6ヶ月で、2年時点の改変無増悪生存率はA+AVD群で82.1%(95%信頼区間[CI] 78.8〜85.0)、ABVD群で77.2%(73.7〜80.4)、差は4.9%だった(リンパ腫増悪、死亡、改変した増悪のハザード比 0.77; 95% CI 0.60〜0.98; p = 0.04)。A+AVD群で28例、ABVD群では39例がそれぞれ死亡した(暫定的な全死亡のハザード比 0.73; 95% CI 0.45〜1.18; p = 0.20)。全ての副次評価項目において、A+AVD群の方が優れている傾向がみられた。好中球減少はA+AVD群の58%、ABVD群の45%でみられ、A+AVD群における発熱性好中球減少症の発生率は予防的G-CSF投与を受けた83人の方が受けなかった患者より低かった(11% vs 21%)。末梢神経障害はA+AVD群の67%とABVD群の43%でみられ、A+AVD群で末梢神経障害がみられた患者の67%は最後のフォローアップ受診時点で症状の消失または改善がみられた。grade 3以上の肺毒性はA+AVD群では1%未満、ABVD群では3%でみられた。治療中の死亡の中で、A+AVD群の9例中7例は好中球減少と関連しており、ABVDの13例中11例は肺毒性と関連していた。

結論
A+AVDは進行期のホジキンリンパ腫患者の治療においてABVDと比較して、リンパ腫の増悪、死亡、または不完全な奏功と次の抗腫瘍治療を複合したリスクを2年時点で4.9%ポイント低下させ、優越性を示した。

 

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急性リンパ性白血病におけるCD19 CAR T細胞治療の長期フォロー結果

Long-Term Follow-up of CD19 CAR Therapy in Acute Lymphoblastic Leukemia

N Engl J Med 2018;378:449-459

 

背景
再発したB細胞性の急性リンパ性白血病(B-ALL)患者において、CD19特異的キメラ抗原受容体(CAR)T細胞は高い奏効率を示し、一部のグループでは長期にわたり寛解を得た。

方法
著者らはMemorial Sloan Kettering Cancer Center (MSKCC)において、B-ALLが再発した成人患者を対象に、19-28z CARを発現した自家T細胞を輸注する第1相試験を実施した。安全性と長期の治療成績を評価し、患者の臨床的、あるいは疾患の背景との関連も評価した。

結果
MSKCCで作製した19-28z CAR T細胞を輸注した患者は合計で53人だった。輸注後、重篤なサイトカイン放出症候群が53人中14人(26%; 95%信頼区間 15〜40)でみられ、1人が死亡した。

完全寛解を達成した患者は83%だった。観察期間の中央値は29ヶ月(range 1〜65)で、無イベント生存期間と全生存期間の中央値はそれぞれ6.1ヶ月(95% CI 5.0〜11.5)と12.9ヶ月(8.7〜23.4)だった。治療前の腫瘍量が少ない(骨髄中の芽球が5%未満)患者は寛解の持続区間と生存期間が著明に長く、無イベント生存期間と全生存期間の中央値はそれぞれ10.6ヶ月(5.9〜未到達)と20.1ヶ月(8.7〜未到達)だった。腫瘍量の多い患者(骨髄中の芽球が5%以上、または髄外病変がある)は、腫瘍量の少ない患者と比較してサイトカイン放出症候群と神経学的イベントの頻度が有意に高く、生存期間が短かった。

結論

コホート全体では、全生存期間の中央値は12.9ヶ月だった。腫瘍量の少ない患者では、全生存期間の中央値は20.1ヶ月で、19-28z T細胞投与後のサイトカイン放出症候群や神経学的イベントが腫瘍量の多い患者よりも少なかった。

 

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B細胞急性リンパ性白血病の小児、若年成人患者に対するtisagenlecleucelの第2相試験

Tisagenlecleucel in Children and Young Adults with B-Cell Lymphoblastic Leukemia.

N Engl J Med. 2018;378:439-448.

 

背景

単施設の第1-2a相試験において、抗CD19キメラ抗原受容体(CAR)発現T細胞 tisagenlecleucelによる治療は、小児と若年成人の再発・難治性B細胞性急性リンパ性白血病(ALL)において高い完全寛解率を達成し、重篤な毒性と関連していたが毒性の大半は可逆性だった。

 

方法

著者らはCD19陽性の再発または難治性のB細胞ALLの小児または若年成人を対象に、tisagenlecleucelの25施設参加国際共同試験を実施した。主要評価項目は3ヶ月以内の全寛解率(完全寛解または血液学的回復が不完全な完全寛解)とした。

 

結果

今回の事前に計画された解析で、tisagenlecleucelを投与され、有効性の評価が可能だったのは75人だった。3ヶ月以内の全寛解率は81%だったが、治療に反応した全ての患者でフローサイトメトリーで評価した微小残存病変が陰性だった。無イベント生存率と全生存率は6ヶ月時点で73%(95%信頼区間[CI] 60〜82)と90%(81〜95)、12ヶ月時点で50%(35〜64)と76%(63〜86)だった。寛解の持続期間は中央値に達しなかった。20ヶ月時点においても、tisagenlecleucelが血液中に確認された。tisagenlecleucelと関連していると疑われたgrade 3または4の有害事象は患者の73%で起きた。サイトカイン放出症候群は患者の77%で起き、48%はトシリズマブを投与された。神経学的イベントは患者の40%で起き、対症療法で対処された。脳浮腫は報告されなかった。

 

結論

今回のCAR T細胞療法の国際共同試験で、tisagenlecleucelの単回投与は小児または若年成人の再発・難治性B細胞ALLに対して持続的な寛解をもたらし、重篤な毒性は一過性のものだった。

 

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マントル細胞リンパ腫に対する骨髄非破壊的移植の長期成績

Long-term outcome analysis of reduced-intensity allogeneic stem cell transplantation in patients with mantle cell lymphoma: a retrospective study from the EBMT Lymphoma Working Party

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マントル細胞リンパ腫(MCL)患者において、骨髄非破壊的移植 reduced-intensity allogeneic stem cell transplantation (RIST)は自家幹細胞移植後に再発した際のために温存される。しかし、RISTの長期的な有効性と治癒の可能性は明らかではない。著者らは、EBMTに報告されたRISTを受けたMCL患者の長期成績を検討した。
対象となった患者数は324人で、年齢の中央値は57歳(range 31〜70)、2000年から2008年までの間にRISTを受け、43%は3種類以上の前治療歴があり、46%は自家幹細胞移植を受けていた。非再発死亡率 non-relapse mortality (NRM)は100日時点で10%、1年時点で24%で、抗胸腺グロブリン ATG/ALGを投与された患者の方が低かった(RR 0.59; p = 0.046)。観察期間の中央値は72ヶ月(range 3〜159)で、118人が再発し、RISTから再発までの期間の中央値は8ヶ月(1〜117)だった。累積再発率は1年時点で25%、5年時点で40%で、化学療法抵抗性(HR 0.49; p = 0.01)、CAMPATHの使用(HR 2.59; p = 0.0002)と関連していた。4年無増悪生存率と全生存率はそれぞれ31%、40%だった。
RISTの長期無増悪生存率は約30%で、自家幹細胞移植後に再発した患者も含まれていた。

短縮導入療法で寛解した高齢の慢性リンパ性白血病患者に対する、リツキシマブ維持療法と経過観察の比較試験

Rituximab maintenance versus observation following abbreviated induction with chemoimmunotherapy in elderly patients with previously untreated chronic lymphocytic leukaemia (CLL 2007 SA): an open-label, randomised phase 3 study
Lancet Haematology 2018;5:e82-e94

背景
慢性リンパ性白血病の患者は、そのほとんどがリツキシマブを併用した化学療法を受けた後に再発する。著者らは、フルダラビン、シクロフォスファミド、リツキシマブ(FCR)による短縮した導入療法を行い寛解を達成した高齢患者を対象に、リツキシマブの維持療法と無治療経過観察の有効性と安全性を比較評価した。

方法
今回の試験は無作為化、オープンラベル、多施設参加第3相試験で、フランスの89施設が参加し、未治療で条件を満たす65歳以上の慢性リンパ性白血病患者(del(17p)を除く)を対象とした。ECOG performance status (PS)が0または1で、腎機能と肝機能に問題のない患者を適格とした。

減量無しのFCRを1ヶ月毎に4サイクル、加えて1サイクル目と2サイクル目のday14にリツキシマブを投与という導入療法を完遂し、治療に反応した患者を無作為化の対象とした。具体的なレジメン:フルダラビン内服(40 mg/m^2/日)とシクロフォスファミド内服(250 mg/m^2/日)を各サイクル最初の3日間。リツキシマブ 375 mg/m^2をcycle 1のday0、500 mgをcycle 1のday14、cycle 2のday 1、14、cycle 3とcycle 4のday1にそれぞれ投与。FCRの毒性からの回復と、自発的な試験継続の意思を必須とした。
患者をリツキシマブ(500 mg/m^2)を8週ごとに最長2年間にわたって投与する群と経過観察群に1:1の比で無作為に割り付けた。無作為化はIGHVの変異、del(11q)の有無、導入療法への反応で層別した上で実施した。主要評価項目は無増悪生存期間とし、リツキシマブ維持療法が経過観察と比較して優れているかどうかを評価することを目的とした。最終解析はintention-to-treat populationで実施した。安全性はリツキシマブ群では1回以上試験薬を投与された全ての患者、経過観察群では全ての患者を対象に実施した。

結果
2007年12月14日から2014年2月18日までの間に、542人の患者が登録され、このうち525人でFCR導入療法が開始された。2008年6月10日から2014年8月14日までの間に、409人(78%)が無作為にリツキシマブ群(202人)と経過観察群(207人)に割り付けられた。リツキシマブ群の4人(2%)は割り付けられた治療を受けなかった(原病増悪[1人]、有害事象[3人])。観察期間の中央値は47.7ヶ月(IQR 30.4〜65.8)で、リツキシマブ群の無増悪生存期間の中央値は59.3ヶ月(95% CI 49.6ヶ月〜未到達)で経過観察群よりも有意に長かった(経過観察群の中央値 47.7ヶ月[IQR 30.4〜65.8]; ハザード比 0.55; 95% CI 0.40〜0.75; p = 0.0002)。試験期間中の好中球減少とgrade3〜4の感染症は、リツキシマブ群で有意に多かった(好中球減少 105/198 [53%] vs 74/207 [36%]、grade 3〜4の感染症 38/198 [19%] vs 21/207 [10%])。grade 3〜4の感染症で最も多かったのは下気道感染症だった(24例 [12%] vs 8例 [4%])。基底細胞癌を除いた二次発癌の頻度は両群で差がみられなかった(29例 [15%] vs 23例 [11%])。リツキシマブ群の23例(11%)、経過観察群の16例(8%)で有害事象と関連した死亡がみられた。

考察
条件を満たした高齢患者において、2年間のリツキシマブ維持療法は無増悪生存期間を延長し、安全性は許容可能な範囲内であった。免疫療法による維持療法は,
標的療法の時代においても慢性リンパ性白血病のフロントライン治療における適切な選択肢の一つである。

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イキサゾミブは高リスクの再発・難治性骨髄腫患者の無増悪生存率を改善する

Ixazomib significantly prolongs progression-free survival in high-risk relapsed/refractory myeloma patients.
Blood. 2017 Dec 14;130(24):2610-2618.


いくつかの細胞遺伝学的異常は骨髄腫の予後に悪影響を及ぼすことが知られている。第3相試験であるTOURMALINE-MM1試験はイキサゾミブ ixazomib、レナリドミド lenalidomide、デキサメタゾン dexamethasoneの併用療法(IRd)をプラセボ、レナリドミド、デキサメタゾンの併用療法(placebo-Rd)と比較し、IRdが無増悪生存率(PFS)を有意に改善することを示した。今回の事前に計画されていた解析では、fluorescence in situ hybridization (FISH)を用いて評価した細胞遺伝学的リスクに従ってIRdとplacebo-Rdの有効性と安全性を比較評価した。del(17p)、t(4;14)、t(14;16)を高リスクの細胞遺伝学的異常と定義し、1q21の増幅についても評価した。
無作為化された722人の患者のうち、552人で細胞遺伝学的検査結果を確認できた; 137人(25%)に高リスクの細胞遺伝学的異常がみられ、172人(32%)では1q21の増幅のみがみられた。IRdは高リスク、標準リスクのいずれの細胞遺伝学的異常グループにおいてもplacebo-RdよりもPFSを改善させていた。高リスク患者では、ハザード比(HR)は0.543 (95%信頼区間[CI] 0.321〜0.918; p = 0.021)、PFSの中央値は21.4ヶ月 vs 9.7ヶ月、標準リスク患者ではHRは0.640 (95% CI 0.462〜0.888; p = 0.007)、PFSの中央値は20.6ヶ月 vs 15.6ヶ月だった。
このPFSの改善はそれぞれの高リスク細胞遺伝学的異常についても認められ、del(17p)ではHR 0.596; 95% CI 0.286〜1.243だった。IRd群のPFSは1q21の増幅がみられる患者でもplacebo-Rdより長く(HR 0.781; 95% CI 0.492〜1.240)、高リスク細胞遺伝学的異常と1q21増幅のいずれか一つ以上を有する、”拡張した高リスク”群においても同様だった(HR 0.664; 95% CI 0.474〜0.928)。
IRdはplacebo-Rdと比較して、高リスクあるいは標準リスクの細胞遺伝学的異常を有する再発・難治性の骨髄腫患者においてベネフィットを示した。また、高リスク細胞遺伝学的異常に伴うPFSの悪さを改善した。

 

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初回シスプラチン投与後の急性腎障害発症リスクの予測モデル

Development and Validation of a Risk Prediction Model for Acute Kidney Injury After the First Course of Cisplatin.
J Clin Oncol. 2018

目的
シスプラチン関連急性腎傷害 Cisplatin-associated acute kidney injury (C-AKI)はよくみられる。著者らは初回のシスプラチン投与後のC-AKI予測モデルの開発と検証を行った。

方法
2施設で2000年から2016年の間にシスプラチンを投与された患者から得られたデータを収集した。シスプラチン投与から14日以内に血清クレアチニンが0.3 mg/dL上昇した場合をC-AKIと定義した。C-AKIを主要評価項目とし、多変量ロジスティック回帰分析を用いてdevelopment cohort (DC)のデータからスコアモデルを作成し、validation cohort (VC)で検証した。

結果
C-AKIはDCの2,118人患者中13.6%、VCの2,363人中11.6%で発生した。C-AKIと有意に関連していたのは年齢(60歳以下と比較)が61歳~70歳(オッズ比 1.64; 95% CI 1.21~2.23; p = 0.001)、71歳~90歳(OR 2.97; 95% CI 2.06~4.28; p < 0.001)、シスプラチンの用量(≦ 100mgと比較)が101~150 mg (OR 1.58; 95% CI 1.14~2.19; p = 0.007)、> 150 mg (OR 3.73; 95% CI 2.68~5.20; p < 0.001)、高血圧の病歴あり(OR 2.10; 95% CI 1.54~2.72; p < 0.001)、血清アルブミン(> 3.5 g/dLと比較)が2.0~3.5 g/dL(OR 2.21; 95% CI 1.62~3.03; p < 0.001)だった。
シスプラチン投与前の推定糸球体濾過量とC-AKIリスクの間に有意な関連はみられなかった。DCとVCのスコアを基にしたモデルのC統計量(c-statistics)は0.72(95% CI 0.69~0.75)と0.70(0.67~0.73)だった。スコアが0、3.5、8.5の場合、C-AKI発生率はそれぞれ0.03(95% CI 0.03~0.05)、0.12(0.11~0.14)、0.51(0.43~0.60)だった。

結論
患者の年齢、シスプラチン用量、高血圧、血清アルブミンを用いたスコアに基づいたモデルはC-AKIを予測した。

未治療の濾胞性リンパ腫患者に対するR-CHOPとCHOP後地固め放射免疫療法の比較試験(SWOG-S0016) 長期成績の報告

Continued Excellent Outcomes in Previously Untreated Patients With Follicular Lymphoma After Treatment With CHOP Plus Rituximab or CHOP Plus 131I-Tositumomab: Long-Term Follow-Up of Phase III Randomized Study SWOG-S0016.
J Clin Oncol. 2018

目的
SWOG S0016試験は未治療の濾胞性リンパ腫患者を対象に、R-CHOPとCHOP-RIT(CHOPの後に131I-tisitumomabによる放射免疫療法で地固めを行う)の安全性と有効性を比較した第3相試験である。
長期成績を理解することで、濾胞性リンパ腫に対する新しい治療レジメンの性能を評価することができる。

患者と方法
2001年から2008年までの間に未治療の濾胞性リンパ腫患者531人を無作為にR-CHOP群(6サイクル実施)とCHOP-RIT群(6サイクル実施)に割り付けた。進行期患者(bulky病変のある2期と、3期または4期)が対象で、病理学的グレード(1,2,3)はグレードに関わらず適格とした。

結果
観察期間中央値は10.3ヶ月で、推定10年無増悪生存率と全生存率はそれぞれ49%と78%だった。CHOP-RIT群はR-CHOP群と比較して10年無増悪生存率が有意に良好(56% vs 42%; p = 0.01)だったが、10年全生存率については2群間で差がみられなかった(75% vs 81%; p = 0.13)。二次発癌(15.1% vs 16.1%; p = 0.81)、骨髄異形性症候群または急性骨髄性白血病(4.9% vs 1.8%; p = 0.058)の発症率については、2群間で差がみられなかった。二次発癌による10年間の推定累積死亡率は2群間で差がみられなかった(7.1% vs 3.2%; p = 0.16)が、骨髄異形成症候群または急性白血病による累積死亡率はCHOP-RITの方がR-CHOPよりも高かった(4% vs 0.9%; p = 0.02)。

結論
これらの優れた結果から、新たな治療法が長期観察で優位性を示すまで、免疫化学療法は依然としてハイリスク濾胞性リンパ腫患者の標準的な導入療法であるべきである。

 

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成人の未治療ITPに対するプレドニゾロン内服開始前にメチニルプレドニゾロン静注を行っても治療成績は改善しない

Pre-treatment with standard-dose intravenous methylprednisolone does not improve outcomes in newly diagnosed immune thrombocytopenia (ITP).
Eur J Haematol. 2018

目的
成人の免疫性血小板減少症 immune thrombocytopenia (ITP)に対するステロイド治療について、従来の用法用量(メチルプレドニゾロン 1 mg/kg/日)で治療を開始することの有益性と有害性を評価する。

方法
患者は多施設共同の前向き登録であるCARMEN registryから集め、新たにITPと診断され入院した血小板数 30 x 10^9 /L未満の患者を対象とした。
従来の用量のメチルプレドニゾロンconventional-dose methylprednisolone (CDMP)で治療を開始し、プレドニゾンの内服に移行した患者と、従来の用量のプレドニゾン内服conventional-dose oral prednisone (CDOP)だけで治療した患者を比較した。
主要評価項目は治療に反応するまでの時間とした。副次評価項目は完全奏功を達成するまでの時間、奏効率、完全奏効率、入院期間、有害反応の出現とした。プロペンシティスコアと静注免疫グロブリン投与で調整した上で解析した。

結果
対象となったのは87人で、治療に反応がみられるまでの時間の中央値はCDMP群で3日、CDOP群で4日だった(調整ハザード比 [aHR]: 1.35; 95% CI: 0.76~2.41)。CDMP群は完全奏功達成までの時間が短かった(aHR 2.29; 95% CI: 1.20~4.36)。副次評価項目については、2群間で差はみられなかった。

結論

成人のITPにおいて、従来量のメチルプレドニゾロンで治療を開始しても、プレドニゾン内服のみでの治療と比較して有意な有益性は得られなかった。

 

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移植適応のない未治療多発性骨髄腫を対象とした、レナリドミド+低用量デキサメタゾンの第3相試験

Final analysis of survival outcomes in the phase 3 FIRST trial of up-front treatment for multiple myeloma
Blood 2018;131:301-310

今回のFIRST試験の最終解析では、新規に診断された多発性骨髄腫(NDMM)患者で移植の適応が無く、レナリドミドと低用量デキサメタゾン(Rd)で骨髄腫が進行するまで治療された患者(Rd continuous)、Rdで72週間治療された患者(18サイクル; Rd18)、メルファラン、プレドニゾン、サリドマイドで治療された患者(MPT; 72週間)を対象に、生存成績を検討した。

主要評価項目は無増悪生存期間(PFS)とした。全生存期間(OS)は重要な副次評価項目である(最終解析は追跡期間60ヶ月以上と予め規定されていた)。
患者は無作為にRd continuous (n = 525)、Rd18 (n = 541)、MPT (n = 547)に割り付けられた。観察期間の中央値は67ヶ月で、PFSはRd continuousの方がMPTよりも有意に長かった(ハザード比[HR] 0.69; 95%信頼区間[CI]0.59~0.79; p < 0.00001)。また、Rd18と比較しても同様にPFSが長かった。OSの中央値はRd continuousの方がMPTよりも10ヶ月長く(59.1ヶ月 vs 49.1ヶ月; HR 0.78; 95% CI 0.67~0.92; p = 0.0023)、Rd18との間には有意な差がなかった(62.3ヶ月)。完全奏功またはvery good partial responseを達成した患者において、Rd continousはRd18と比較して次の治療までの期間が中央値で30ヶ月以上長かった(69.5ヶ月 vs 39.9ヶ月)。セカンドラインの治療を受けた患者の半数以上がボルテゾミブベースの治療を受けた。セカンドライン治療の結果は、Rd continuousまたはRd18の後にボルテゾミブを投与された患者の方がMPTよりも良好だった。二次発癌を含めて、新たな安全上の懸念事項はみられなかった。

Rd continuousによる治療はMPTと比較して生存成績を有意に改善し、この結果は移植適応の無いNDMM患者においてRd continuousが標準治療となることを支持している。

 

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