メモ帳

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未治療マントル細胞リンパ腫に対する強力な免疫化学療法の第2相臨床試験(Nordic MCL-2 study)

Long-term progression-free survival of mantle cell lymphoma after intensive front-line immunochemotherapy with in vivo-purged stem cell rescue: a nonrandomized phase 2 multicenter study by the Nordic Lymphoma Group.
(Blood 2008;112:2687-2693)

マントル細胞リンパ腫(MCL)は治癒困難と考えられている。幹細胞移植を併用した強力な免疫化学療法は、大規模な前向き試験では試みられていなかった。2nd Nordic MCL trialにおいて、著者らは66歳未満のMCL患者160例を、導入療法としてrituximabを併用した用量強化CHOP(maxi-CHOP)とrituximab併用大量cytarabine療法で治療した(R-maxi-CHOPとR-high dose AraCを交互に実施)。治療に反応があった患者については、BEAMまたはBEAC (melphalanの代わりにcycloposphamideを使用)を行い、その際にはrituximabでin vivo purgeした幹細胞を使用して自家移植を行った。全奏功率、完全奏功率はそれぞれ96%、54%だった。6年全生存率、無イベント生存率、無増悪生存率は70%、56%、66%で、5年経過後には再発がみられなかった。多変量解析ではKi-67が無増悪生存率の唯一の独立した予測因子であることが示された。非再発死亡率は5%だった。移植後に幹細胞と患者をPCRで調べた結果、大半のケースで陰性だった。過去に行われたMCL-1のデータと比較して、EFS、OS、PFS、分子生物学的寛解持続期間、PCR陰性幹細胞の割合ともに今回の試験の方が高かった(p < 0.001)。in vivo purgeした幹細胞でサポートしながら強力な免疫化学療法を行うことでMCLの長期的な無増悪生存が得られ、あるいは治癒が得られるかもしれない。

※この試験についてはさらに長期間観察した結果が報告されています。→ 参照記事