メモ帳

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リンパ腫の同種造血幹細胞移植後はFDGPETの偽陽性が多い

False-Positive [18F]Fluorodeoxyglucose-Avid Lymph Nodes on Positron Emission Tomography-Computed Tomography After Allogenic but Not Autologous Stem-Cell Transplantation in Patients With Lymphoma
(JCO 2013, PMID 24248697)

[目的] 造血幹細胞移植を受けたリンパ腫患者におけるPETでのFDG集積の臨床的意義を調べる。
[方法] 2005年1月から2009年12月までにMemorial Sloan-Kettering Cancer Centerで造血幹細胞移植を受け、移植後にFDG PET/CTを受けたリンパ腫患者全員を対象とした。PET/CTではFDGの集積がある部位を病変の疑いがあるものと評価した。診療録、生検結果、一連 の画像検査の結果から、悪性の評価を行った。
[結果] 251例が対象となった。このうち107例は同種移植、144例は自家移植を受けていた。同種移植を受けた患者のうち、50例でFDGの集積度からリンパ 腫が疑われる病変を認めた。しかし、生検でリンパ腫と確認されたのは50例中29例で、残る21例では生検の結果が良性だった。感度を解析した結果、リン パ節のサイズ1.5cmを基準とすることで、良悪性が区別された。FDG異常集積を伴う1.5cm以下のリンパ節がみられた22例中21例で生検結果が良 性だった。良性例では無治療で経過観察され、異常所見が消失するか、または変化無く経過した。FDG異常集積を伴う1.5cm以下のリンパ節があった患者 の無病生存率は、FDG異常集積がみられなかった患者と比較して差がみられなかった。一方、自家移植を受けた患者においてはFDG異常集積部位に生検で悪 性所見がみられなかったケースは稀だった。
[結論] 同種移植を受けた患者の20%(21/107)で1.5cm以下のリンパ節にFDGの異常集積がみられが、活動性のあるリンパ腫病変ではなかった。同種移植を受けたリンパ腫患者では、1.5cm以下のリンパ節へのFDGの良性集積が悪性所見のように見える可能性がある。