メモ帳

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自家造血幹細胞移植を受けてCRを達成した骨髄腫患者の長期成績

Complete response after autologous stem cell transplant in multiple myeloma.

(Cancer Med 2014, PMID 24777883)

 

著者らは自家幹細胞移植(ASCT)後に完全奏功(CR)を達成した骨髄腫患者の長期予後を評価した。1990年4月から2012年6月までの間に191例がASCTを受けた。年齢中央値は53歳(26-68)で、135例が男性だった。移植前に患者が受けた治療レジメンは、VAD (vincristine、doxorubicin、dexamethasone) 77例、新規治療薬 92例、アルキル化剤ベースの治療 22例だった。43%が2種類以上の導入療法を受けていた。移植に対する反応はEBMT基準により判定した。集団全体の観察期間中央値は85か月(6-232.5)だった。109例(57.1%)が移植後にCRを達成した。CRを達成した症例の無増悪生存期間(PFS)中央値は、VGPR、PR症例よりも長かった(CR 107か月 vs VGPR 18か月 vs PR 18か月、p < 0.001)。移植前の治療レジメン数(1〜2レジメン vs 3レジメン以上、p < 0.001)、リンパ球数(≦ 3,000/μL)が良好なPFSの予測因子だった。CRを達成した患者の全生存期間(OS)は204か月で、VGPR (71.5か月、p < 0.001)、PR (51.5か月、p < 0.001)よりも有意に長かった。Cox回帰分析では、移植前に受けた寛解導入療法が1レジメンの患者(hazard ratio, HR 2.154, p < 0.001)とリンパ球数≦ 3,000/μLの患者(HR 0.132, p < 0.001)はPFSが良好だった。全生存期間についてみると、移植前の寛解導入療法が1レジメン(HR 2.403, p < 0.004)、診断時のHbが7.1 g/dLを超えること(HR 4.756, p < 0.01)が良好な予後と関連していた。12か月時点でのランドマーク解析では、CRを達成している患者で依然としてOS、PFSが優れていた。移植後にCRを達成するとことは、OS、PFSの延長と関連している。完全寛解患者の中で、移植前に受けた寛解導入療法の数が1種類の患者は予後がより優れていた。