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高リスクの発熱性好中球減少症において、piperacillin/tazobactam (PIPC/TAZ)とtigecyclineの併用は(PIPC/TAZ)単剤よりも奏功率が高い

Results of a Multicenter, Controlled, Randomized Clinical Trial Evaluating the Combination of Piperacillin/Tazobactam and Tigecycline in High-Risk Hematologic Patients With Cancer With Febrile Neutropenia

JCO 2014;32:1463-1471

 

[目的] エンピリックな抗菌薬単剤投与は、担癌患者の発熱性好中球減少症(FN)における標準治療と考えられている。しかし、この多剤耐性(MDR)菌による感染症が増加しているため、このアプローチは不適切かもしれない。

[患者・方法] この試験は多施設参加無作為化オープンラベル優越性試験であり、血液悪性腫瘍が基礎にある成人高リスクFN患者 (febrile, high-risk neutropenic patients; FhrNPs)をPIPC/TAZ (4.5 g、8時間毎)単剤治療群とtigecycline (50 mg、12時間毎;loading dose 100 mg)併用群に無作為に割り付けた。最初に割り付けられた治療内容を変更せずに解熱した割合を主要評価項目とした。

[結果] 390例のFhrNPが登録され、187例が併用群、203例が単剤群に割り付けられた。intention-to-treat解析の結果、治療成功率は併用群で67.9%(127/187)、単剤群で44.3%(90/203)だった(絶対リスク差 23.6%; 95% CI, 14%-33%; p < 0.001)。菌血症(絶対リスク差 32.8%; 19%-46%; p < 0.001)、臨床的に診断された感染症(36%; 9%-64%; p < 0.01)において、併用療法は単剤療法よりも有効率が高かった。死亡率、有害事象数は両群ともに限定的で、類似していた。

[結論] 血液悪性腫瘍が基礎にある高リスクFN患者において、PIPC/TAZとtigecyclineの併用は安全で認容性が高く、PIPC/TAZ単剤治療よりも効果的だった。多剤耐性菌による感染症の頻度が高いという特徴がある疫学的な状況においては、エンピリックな抗菌薬治療の1st lineとして併用療法が考慮されうるかもしれない。