メモ帳

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頭蓋顔面にリンパ節外病変を有するアグレッシブB細胞リンパ腫における、放射線治療と予防的抗癌剤髄腔内投与の役割

The role of radiotherapy and intrathecal CNS prophylaxis in extralymphatic craniofacial aggressive B-cell lymphomas

(Blood 2014;124:720-728)
 
頭蓋顔面領域のリンパ節外への浸潤(Ecfi)を伴うアグレッシブB細胞リンパ腫における、放射線治療と抗癌剤の予防的髄腔内投与の役割を明らかにするために、著者らはGerman High-Grade Non-Hodgkin Lymphoma Study Groupが実施した11の臨床試験を解析した。
Ecfiは7.0%(290/4155)でみられた(眼窩 31、副鼻腔 93、鼻腔 38、舌 27、舌以外の口腔 99、唾液腺 54)。IPIで調整した多変量解析では、Ecfiの有無にかかわらずrituximabがEFSとOSのいずれも改善していた。放射線治療を受けた群(145例)と受けなかった群(57例)の間で、3年EFS (79% vs 79%)、OS (86% vs 88%)に差はみらなかった。rituximabを使用しなかった症例では、Ecfi合併群(205例)はEcfi非合併群(2586例)よりも2年間の中枢神経病変累積発生率が高かった(4.2% vs 2.8%; p = 0.038)。一方で、rituximabを使用した症例ではこのような違いはみられなかった(Ecfi群 [83例] 1.6% vs non-Ecfi群 [1252例] 3.4%; p = 0.682)。予防的にメソトレキサートを髄腔内投与された88例のEcfi合併例では、2年間の中枢神経病変発生率が4.2%で、予防的髄腔内投与を受けなかったEcfi合併例191例では2.3%だった(p = 0.981)。結論として、rituximabによって、Ecfi合併例の中枢神経病変リスク増加が除去された。今回の後ろ向き解析では、完全寛解状態にあるEcfi合併例における抗癌剤の予防的髄腔内投与と放射線治療は支持されなかった。これらの知見は前向き試験で確認するべきである。