メモ帳

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リツキシマブ併用化学療法を受けたHBVキャリアにおけるHBV再活性化についての前向き試験

Hepatitis B Reactivation in Patients With Previous Hepatitis B Virus Exposure Undergoing Rituximab-Containing Chemotherapy for Lymphoma: A Prospective Study

(JCO 2014;32:3736-3743)

目的 リツキシマブ併用化学療法を受けたHBs抗原陰性,抗HBc抗体陽性のリンパ腫患者におけるB型肝炎ウイルスの再活性化パターンはこれまで十分に報告されていなかった.

患者・方法 血液悪性腫瘍と診断されリツキシマブ併用化学療法を受けたHBs抗原陰性,抗HBc抗体陽性,血清HBV DNA量が検出感度未満(< 10 IU/mL)の中国人患者を対象として,4週間毎に2年後までモニターした.HBVが再活性化(HBV DNA検出時と定義)した際にはエンテカビルが開始された.

結果 リツキシマブ併用化学療法を受けた260例のうち,HBs抗原陰性かつ抗HBc抗体陽性の63例(24.2%)がフォローされ,フォロー期間の中央値は70週(6-104週)だった.2年間における累積のHBV再活性化率は41.5%で,リツキシマブ投与終了から中央値で23週後(4-100週後)に起こっていた.再活性化時のHBV DNA量の中央値は43 IU/mL(14-920)で,ベースラインでの抗HBs抗体不検出(< 10 mIU/mL)がHBV再活性化と関連する唯一のリスク因子であった(hazard ratio 3.51; 95% CI, 1.37-8.98; p = 0.009).ベースラインの抗HBs抗体が陰性の患者は陽性の患者と比較して2年間のHBV活性化率(累積)が有意に高かった(68.3% vs 34.4%; p = 0.012).HBVが再活性化した時点で,全ての患者でALTは正常であり,1例を除く全患者でHBs抗原は陰性だった.全ての患者において,エンテカビルによってHBV再活性化はうまくコントロールされた.

結論 リツキシマブ併用化学療法を受けたHBs抗原陰性かつ抗HBc抗体陽性の患者において,高率にHBV再活性化が観察され,抗HBs抗体陰性の患者では再活性化率が有意に高かった.定期的なHBV DNAモニタリングはHBV関連合併症を予防するための戦略として効果的であった.