メモ帳

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進行期ホジキンリンパ腫における、interim PET-CTを用いた治療レジメンの改変

Adapted Treatment Guided by Interim PET-CT Scan in Advanced Hodgkin’s Lymphoma

N Engl J Med 2016;374:2419-2429

背景

進行期ホジキンリンパ腫の治療をガイドすることを目的に、化学療法に対する早期の反応性を評価する方法としてのinterim PET-CTを評価した。

方法

新規に診断された古典的ホジキンリンパ腫患者を対象に、治療開始前にPET-CTを実施した後2サイクルのABVDを行い、interim PET-CTを実施した。画像は5-point scaleを用いてセントラルレビューを行った。ABVD 2サイクル終了後のPETが院生だった患者はABVD群とAVD群(ブレオマイシンを省略)のいずれかに無作為に割り付けられ、それぞれの治療をさらに4サイクル受けた。2サイクル終了後のPETで陽性だった患者はBEACOPPを受けた。interim PET-CTで陰性だった患者には放射線治療は推奨されなかった。主要評価項目はABVD群とAVD群の間の無増悪生存率の差で、非劣性比較を行い5%以上の差を除外した。

結果

1214例が登録され、interim PET-CTを受けた1119例のうち937例が陰性だった。観察期間の中央値は41ヶ月で、3年無増悪生存率と全生存率はABVD群で85.7%(95% CI, 82.1〜88.6)と97.2%(95.1〜98.4)、AVD群で84.4%(80.7〜87.5)と97.6%(95.6〜98.7)だった。3年無増悪生存率の差(ABVD-AVD)は1.6%(-3.2〜5.3)だった。呼吸器系の有害事象はABVD群の方がAVD群よりも多かった。interim PET-CTが陽性だった172例にBEACOPPが実施され、3回目のPET-CTでは74.4%が陰性だった。3年無増悪生存率は67.5%、全生存率は87.8%だった。全体で62例が試験中に死亡し(24例がホジキンリンパ腫により死亡)、3年無増悪生存率は82.6%、全生存率は95.8%だった。

結論

予め設定した非劣性マージンが短かったため非劣性を示せなかったが、interim PET陰性確認後にABVDレジメンからブレオマイシンを省略することでABVDを継続するよりも肺毒性の頻度が低下し、かつ有効性の有意な低下も認められなかった。

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(本文より引用)