メモ帳

血液内科関連の論文について,主にアブストラクトの日本語訳を載せています.基本は自分用メモですので,ご利用の際はその点ご了承ください.

再発・難治性骨髄腫に対するdaratumumab、ボルテゾミブ、デキサメタゾン併用療法

Daratumumab, Bortezomib, and Dexamethasone for Multiple Myeloma.

N Engl J Med. 2016 Aug 25;375(8):754-66.

www.ncbi.nlm.nih.gov

 

背景 daratumumabはCD38を標的としたヒトIgGκ型モノクローナル抗体であり、直接的、間接的に抗骨髄腫活性を誘導し、濃厚な治療歴のある骨髄腫患者に対する単剤治療、新規に診断された骨髄腫患者に対するボルテゾミブとの併用療法で大きな効果を示した。

方法 今回の第3相試験において、著者らは再発または再発後治療抵抗性の骨髄腫患者498人をボルテゾミブ(1.3 mg/m^2)とデキサメタゾン(20 mg)のみを投与する対照群、またはdaratumumab (16 mg/kgBW)を併用する群(daratumumab群)のいずれかに無作為に割り付けた。primary end pointは無増悪生存率とした。

結果 中間解析において、daratumumab群における無増悪生存率は対照群よりも有意に高かった;12ヶ月時点での無増悪生存率はdaratumumab群では60.7%、対照群では26.9%だった。フォローアップ期間中央値は7.4ヶ月で、無増悪生存期間の中央値はdaratumumab群では未到達、対照群では7.2ヶ月だった(原病増悪または死亡についてのhazard ratioはdaratumumab群 vs 対照群で0.39、95%信頼区間は0.28〜0.53; p<0.001)。また、daratumumab群における全奏功率は対照群よりも高く(82.9% vs 63.2%, p<0.001)、very good partial response以上の奏功率(59.2% vs 29.1%, p<0.001)、complete response以上の奏功率(19.2% vs 9.0%, p=0.001)のいずれもdaratumumab群の方が高かった。daratumumab群と対照群で報告されたgrade 3または4の有害事象のうち、頻度の高かった3つは血小板減少(45.3%, 32.9%)、貧血(14.4%, 16.0%)、好中球減少(12.8%, 4.2%)だった。daratumumab治療に伴う投与関連反応は45.3%で報告された;これらの反応は殆どがgrade 1または2であり(grade 3は8.6%でみられた)、投与時反応がみられた患者のうち98.2%で反応は初回投与時にみられた。

結論 再発または再発後難治性の骨髄腫患者において、daratumumabをボルテゾミブとデキサメタゾンと併用した治療はボルテゾミブとデキサメタゾンのみの治療と比較して無増悪生存期間を有意に延長し、投与関連反応との関連がみられ、血小板減少と好中球減少の頻度が高かった。