メモ帳

血液内科関連の論文について,主にアブストラクトの日本語訳を載せています.基本は自分用メモですので,ご利用の際はその点ご了承ください.

初発の中枢神経原発リンパ腫を対象とした、自家幹細胞移植併用大量化学療法の第2相臨床試験

High-dose chemotherapy with autologous haemopoietic stem cell transplantation for newly diagnosed primary CNS lymphoma: a prospective, single-arm, phase 2 trial.

Lancet Haematol. 2016;3:e388-397

www.ncbi.nlm.nih.gov

背景 大量メトトレキサート(MTX)をベースとした化学療法は中枢神経原発リンパ腫(PCNSL)の標準的な治療であるが、殆どの患者が再発する。自家幹細胞移植を併用した大量化学療法(HCT-ASCT)は血液脳関門を克服して中枢神経の微小残存病変を排除できると期待されている。著者らは、新規に診断されたPCNSL患者を対象としたHCT-ASCTの安全性と有効性を評価することを計画した。

方法 今回の前方視的、単アーム第2相臨床試験において、著者らはドイツの15施設で新規にPCNSLと診断された免疫不全のない18歳〜65歳の患者で、かつperformance statueに制限がない患者を登録した。対象患者はリツキシマブ375 mg/m^2を4回(初回の大量MTXの7日前、その後は10日毎)と、大量MTX(8000 mg/m^2)を4回(10日毎)に投与され、その後リツキシマブ 375 mg/m^2(day1)、シタラビン 3 g/m^2(day2,3)、チオテパ 40 mg/m^2(day3)を組み合わせた治療を2サイクル受けた。

最後の化学療法から3週間後に、導入療法後の治療反応性にかかわらずHCT-ASCTが開始された(リツキシマブ 375 mg/m^2 day1, carmustine 400 mg/m^2 day2, チオテパ 2x5 mg/kg day3-4, 幹細胞輸注 day7)。

著者らは、放射線治療をHCT-ASCT後に完全奏功に達しなかった患者だけに制限した。主要評価項目は、本研究の治療を1日でも受けた患者を対象とした、HCT-ASCT後30日時点での完全奏功率とした。

結果 2007年1月18日から2011年5月23日までに、81人が登録され、このうち2人が除外されて79例が解析対象となった。全患者が導入療法を開始し、73人がHCT-ASCTを受けた。61人(77.2%、95%信頼区間 66.1〜86.6)が完全奏功を達成した。導入療法中みられたgrade 3の毒性で最も多かったのは貧血(37例、47%)で、grade 4の毒性で最も多かったのは血小板減少(50例、63%)だった。HCT-ASCT中に最も多かったgrade 3の毒性は発熱(50例/73例、68%)で、最も多かったgrade 4の毒性は白血球減少(68例/73例、93%)だった。治療関連死亡は4例記録された(3例が導入療法中、1例がHCT-ASCTの4週後)。

結論 チオテパとcarmustineを用いたHCT-ASCTは若年の未治療PCNSL患者において効果的であるが、さらなる比較試験が必要である。