メモ帳

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アンドロゲンを用いた維持療法は、高齢AML患者の予後を改善する。

Addition of Androgens Improves Survival in Elderly Patients With Acute Myeloid Leukemia: A GOELAMS Study

J Clin Oncol. 2017;35:387-393

PMID: 28129526, DOI: 10.1200/JCO.2016.67.6213

www.ncbi.nlm.nih.gov

 

目的

急性骨髄性白血病(AML)の高齢患者は予後が悪く、新たな維持療法が開発されれば治療成績が改善する可能性がある。再生不良性貧血の治療に用いられるアンドロゲンがAML細胞の増殖を阻害し、分化を促すという報告がある。著者らは、60歳以上の患者の維持療法にアンドロゲンを加えるベネフィットを調べた多施設参加無作為化オープンラベル第3相臨床試験を報告した。

患者と方法

de novoまたは(化学療法や放射線治療による)二次性白血病の患者330人がこの試験に登録された。導入療法はイダルビシン(8mg/m^2 on day1-5)、シタラビン(100mg/m^2 on day1-7)、lomustine(200mg/m^2 on day1)で行った。完全寛解または部分寛解が得られた患者は、イダルビシン(8mg/m^2 on day1)、シタラビン(100mg/m^2 on day1-5)のレジメンとメトトレキサート、メルカプトプリンのレジメンを交互に合計6コース行う再寛解導入療法を受けた。その上で、患者はnorethandroloneを体重に応じて10mg/dayまたは20mg/day、2年間投与される群と投与されない群のいずれかに無作為に割り付けられた。

主要評価項目はintention to treatでの無増悪生存率、副次評価項目は無イベント生存率、全生存率、安全性とした。この臨床試験はwww.ClinicalTrials.govに登録されている(NCT00700544)

結果

norethandroloneを投与されるarm Aと、投与されないarm Bにそれぞれ165人ずつ割り付けられた。247人(76%)で完全寛解または部分寛解が得られた。Schoenfeld time-dependent modelによると、norethandroloneは導入療法後1年後に寛解を維持いる患者の生存率を有意に改善した。arm Aとarm Bにおける5年無増悪生存率はそれぞれ31.2%と16.2%で、無イベント生存率は21.5%と12.9%、全生存率は26.3%と17.2%だった。norethandroloneは全ての予後因子と独立に治療成績を改善していた。ベースラインの白血球数が30,000/μLを超える患者においてのみnorethandroloneのベネフィットが得られなかった。

結論

本研究はnorethandroloneを用いた維持療法が高齢AML患者の生存率を有意に改善し、毒性を増加させないことを示した。