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成人の未治療ITPに対するプレドニゾロン内服開始前にメチニルプレドニゾロン静注を行っても治療成績は改善しない

Pre-treatment with standard-dose intravenous methylprednisolone does not improve outcomes in newly diagnosed immune thrombocytopenia (ITP).
Eur J Haematol. 2018

目的
成人の免疫性血小板減少症 immune thrombocytopenia (ITP)に対するステロイド治療について、従来の用法用量(メチルプレドニゾロン 1 mg/kg/日)で治療を開始することの有益性と有害性を評価する。

方法
患者は多施設共同の前向き登録であるCARMEN registryから集め、新たにITPと診断され入院した血小板数 30 x 10^9 /L未満の患者を対象とした。
従来の用量のメチルプレドニゾロンconventional-dose methylprednisolone (CDMP)で治療を開始し、プレドニゾンの内服に移行した患者と、従来の用量のプレドニゾン内服conventional-dose oral prednisone (CDOP)だけで治療した患者を比較した。
主要評価項目は治療に反応するまでの時間とした。副次評価項目は完全奏功を達成するまでの時間、奏効率、完全奏効率、入院期間、有害反応の出現とした。プロペンシティスコアと静注免疫グロブリン投与で調整した上で解析した。

結果
対象となったのは87人で、治療に反応がみられるまでの時間の中央値はCDMP群で3日、CDOP群で4日だった(調整ハザード比 [aHR]: 1.35; 95% CI: 0.76~2.41)。CDMP群は完全奏功達成までの時間が短かった(aHR 2.29; 95% CI: 1.20~4.36)。副次評価項目については、2群間で差はみられなかった。

結論

成人のITPにおいて、従来量のメチルプレドニゾロンで治療を開始しても、プレドニゾン内服のみでの治療と比較して有意な有益性は得られなかった。

 

www.ncbi.nlm.nih.gov