メモ帳

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B細胞急性リンパ性白血病の小児、若年成人患者に対するtisagenlecleucelの第2相試験

Tisagenlecleucel in Children and Young Adults with B-Cell Lymphoblastic Leukemia.

N Engl J Med. 2018;378:439-448.

 

背景

単施設の第1-2a相試験において、抗CD19キメラ抗原受容体(CAR)発現T細胞 tisagenlecleucelによる治療は、小児と若年成人の再発・難治性B細胞性急性リンパ性白血病(ALL)において高い完全寛解率を達成し、重篤な毒性と関連していたが毒性の大半は可逆性だった。

 

方法

著者らはCD19陽性の再発または難治性のB細胞ALLの小児または若年成人を対象に、tisagenlecleucelの25施設参加国際共同試験を実施した。主要評価項目は3ヶ月以内の全寛解率(完全寛解または血液学的回復が不完全な完全寛解)とした。

 

結果

今回の事前に計画された解析で、tisagenlecleucelを投与され、有効性の評価が可能だったのは75人だった。3ヶ月以内の全寛解率は81%だったが、治療に反応した全ての患者でフローサイトメトリーで評価した微小残存病変が陰性だった。無イベント生存率と全生存率は6ヶ月時点で73%(95%信頼区間[CI] 60〜82)と90%(81〜95)、12ヶ月時点で50%(35〜64)と76%(63〜86)だった。寛解の持続期間は中央値に達しなかった。20ヶ月時点においても、tisagenlecleucelが血液中に確認された。tisagenlecleucelと関連していると疑われたgrade 3または4の有害事象は患者の73%で起きた。サイトカイン放出症候群は患者の77%で起き、48%はトシリズマブを投与された。神経学的イベントは患者の40%で起き、対症療法で対処された。脳浮腫は報告されなかった。

 

結論

今回のCAR T細胞療法の国際共同試験で、tisagenlecleucelの単回投与は小児または若年成人の再発・難治性B細胞ALLに対して持続的な寛解をもたらし、重篤な毒性は一過性のものだった。

 

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