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急性リンパ性白血病におけるCD19 CAR T細胞治療の長期フォロー結果

Long-Term Follow-up of CD19 CAR Therapy in Acute Lymphoblastic Leukemia

N Engl J Med 2018;378:449-459

 

背景
再発したB細胞性の急性リンパ性白血病(B-ALL)患者において、CD19特異的キメラ抗原受容体(CAR)T細胞は高い奏効率を示し、一部のグループでは長期にわたり寛解を得た。

方法
著者らはMemorial Sloan Kettering Cancer Center (MSKCC)において、B-ALLが再発した成人患者を対象に、19-28z CARを発現した自家T細胞を輸注する第1相試験を実施した。安全性と長期の治療成績を評価し、患者の臨床的、あるいは疾患の背景との関連も評価した。

結果
MSKCCで作製した19-28z CAR T細胞を輸注した患者は合計で53人だった。輸注後、重篤なサイトカイン放出症候群が53人中14人(26%; 95%信頼区間 15〜40)でみられ、1人が死亡した。

完全寛解を達成した患者は83%だった。観察期間の中央値は29ヶ月(range 1〜65)で、無イベント生存期間と全生存期間の中央値はそれぞれ6.1ヶ月(95% CI 5.0〜11.5)と12.9ヶ月(8.7〜23.4)だった。治療前の腫瘍量が少ない(骨髄中の芽球が5%未満)患者は寛解の持続区間と生存期間が著明に長く、無イベント生存期間と全生存期間の中央値はそれぞれ10.6ヶ月(5.9〜未到達)と20.1ヶ月(8.7〜未到達)だった。腫瘍量の多い患者(骨髄中の芽球が5%以上、または髄外病変がある)は、腫瘍量の少ない患者と比較してサイトカイン放出症候群と神経学的イベントの頻度が有意に高く、生存期間が短かった。

結論

コホート全体では、全生存期間の中央値は12.9ヶ月だった。腫瘍量の少ない患者では、全生存期間の中央値は20.1ヶ月で、19-28z T細胞投与後のサイトカイン放出症候群や神経学的イベントが腫瘍量の多い患者よりも少なかった。

 

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