メモ帳

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治療抵抗性大細胞型B細胞リンパ腫に対する、Axicabtagene Ciloleucelを用いたCAR T細胞療法

Axicabtagene Ciloleucel CAR T-Cell Therapy in Refractory Large B-Cell Lymphoma.
N Engl J Med. 2017;377:2531-2544.

背景
第1相試験において、自家抗CD19キメラ抗原受容体T細胞療法であるaxicabtagene ciloleucel (axi-cel)は従来の治療が効かない治療抵抗性の大細胞型B細胞リンパ腫に効果を示した。

方法
今回の多施設共同第2相試験に著者らは、推奨される前治療を行ったにもかかわらず治療抵抗性のびまん性大細胞型B細胞リンパ腫、縦隔原発B細胞リンパ腫、濾胞性リンパ腫から移行したリンパ腫の患者111人を登録した。患者は低用量のシクロフォスファミドとフルダラビンによる前処置を受けた後、目標量である体重1kgあたり2 x 10^6の抗CD19 CAR T細胞が投与された。主要評価項目は奏効率(完全奏効率と部分奏効率の合計)とした。副次評価項目は全生存率、安全性、バイオマーカーの評価とした。

結果
登録された111人のうち、axi-celの作製に成功したのは110人(99%)で、投与されたのは101人(91%)だった。奏効率は82%で、完全奏効率は54%だった。観察期間の中央値は15.4ヶ月で、患者の42%は効果が持続し、40%は完全奏功の状態が持続した。18ヶ月時点における全生存率は52%だった。治療中に生じたgrade 3以上の有害事象のうち最も頻度が高かったものは好中球減少(78%)で、貧血(43%)、血小板減少(38%)が続いた。grade 3以上のサイトカイン放出症候群と神経学的イベントはそれぞれ13%、28%で生じた。患者のうち3人が治療中に死亡した。血液中のCAR T細胞レベルの高さと治療への奏功に関連がみられた。

結論
今回の多施設共同試験において、axi-celによるCAR T細胞療法を受けた治療抵抗性の大細胞型B細胞リンパ腫の患者では高い率で持続的な効果がみられ、安全性プロファイルとしては骨髄抑制、サイトカイン放出症候群、神経学的イベントがみられた。

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