メモ帳

血液内科関連の論文について,主にアブストラクトの日本語訳を載せています.基本は自分用メモですので,ご利用の際はその点ご了承ください.

選択的な核外搬出阻害薬であるselinexorの再発・治療抵抗性骨髄腫に対する第2相試験

Selective Inhibition of Nuclear Export With Oral Selinexor for Treatment of Relapsed or Refractory Multiple Myeloma.

J Clin Oncol 2018, doi: 10.1200/JCO.2017.75.5207.

 

目的
selinexorは画期的な新薬で、exportin 1 (XPO1)を選択的に阻害し、腫瘍蛋白のmRNAの翻訳を抑制するだけでなく核の腫瘍抑制蛋白とグルココルチコイド受容体を保持して腫瘍細胞のアポトーシスを誘導する。著者らは、ほとんどの利用可能な薬剤に治療抵抗性の多発性骨髄腫患者を対象に、selinexorと低用量のデキサメタゾンの併用を研究した。

患者と方法
今回の第2相試験ではボルテゾミブ、カルフィルゾミブ、レナリドミド、ポマリドミドに抵抗性(4剤抵抗性)と、さらに抗CD38抗体に抵抗性(5剤抵抗性)の骨髄腫患者を対象に、selinexor 80 mgとデキサメタゾン 20 mg (どちらも週2回内服)を評価した。主要評価項目は全奏功率(ORR)とした。

結果
79人の患者のうち、48人が4剤抵抗性で31人が5剤抵抗性の骨髄腫だった。前治療レジメン数の中央値は7種類だった。ORRは21%で、4剤抵抗性と5剤抵抗性で差が無かった(21%、20%)。t(4;14)、t(14;16)、del(17p)を含む高リスク核型を持つ患者では、ORRは35%(6/17)だった。治療効果の持続期間の中央値は5ヶ月で、治療に反応した患者の65%が12ヶ月時点で生存していた。grade 3以上の有害事象で頻度が高かったものは血小板減少(59%)、貧血(28%)、好中球減少(23%)、低ナトリウム血症(22%)、白血球減少(15%)、倦怠感(15%)だった。41人(52%)で有害事象が治療に影響し、29人(37%)が薬剤を減量し、14人(18%)が治療を中止した。

結論
selinexorとデキサメタゾンの併用は過去に多くの治療歴があり治療選択肢が限られている治療抵抗性の骨髄腫患者において21%の全奏功率を示した。

 

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