メモ帳

血液内科関連の論文について,主にアブストラクトの日本語訳を載せています.基本は自分用メモですので,ご利用の際はその点ご了承ください.

再発または治療抵抗性のマントル細胞リンパ腫患者に対するacalabrutinibのシングルアーム、多施設共同第2相臨床試験

Acalabrutinib in relapsed or refractory mantle cell lymphoma (ACE-LY-004): a single-arm, multicentre, phase 2 trial

Lancet 2017

 

背景
ブルトン型チロシンキナーゼはマントル細胞リンパ腫の臨床的に妥当な治療ターゲットである。acalabrutinib (ACP-196)は高い選択性を持つブルトン型キナーゼ阻害剤であり、他の分子に対する活性を最小化するように開発された。

方法
今回のオープンラベル第2相試験では、再発または治療抵抗性のマントル細胞リンパ腫患者に経口のacalabrutinib(100 mg,1日2回)を投与し、リンパ腫が増悪するか許容できない毒性が出現するまで投与を継続した。主要評価項目はルガノ分類に基づいた全奏功率し、全参加者について安全性の解析も行った。

結果
2015年3月12日から2016年1月5日までの間に124人の再発または難治性マントルリンパ腫患者が登録され、全ての患者が治療を受けた。年齢の中央値は68歳だった。前治療歴の中央値は2(IQR 1-2)だった。観察期間の中央値は15.2ヶ月で、治療が奏功した患者は100人(81%)で、完全奏功を達成した患者は49人(40%)だった。カプランマイヤー法による奏功持続期間、無増悪生存期間、全生存期間の推定値はいずれも中央値に達しなかった。12ヶ月時点での奏功持続率、無増悪生存率、全生存率はそれぞれ72%(95% CI 62〜80)、67%(58〜75)、87%(79〜92)だった。有害事象で頻度の高かったものは主にgrade 1または2で、頭痛(47人[38%])、下痢(38人[31%])、倦怠感(34人[27%])、筋痛(26人[21%])だった。頻度の高いgrade 3以上の有害事象は好中球減少(13人[10%])、貧血(11人[9%])、肺炎(6人[5%])だった。心房細動がみられた症例はなく、grade 3以上の出血が1例でみられた。治療継続期間の中央値は13.8ヶ月だった。治療を中止したのは54人(44%)だった。中止した主な理由はリンパ腫の増悪(39人[31%])と有害事象(7人[6%])だった。

考察
acalabrutinibによる治療は再発または難治性のマントル細胞リンパ腫患者において持続的な治療が高率で可能であり、安全性は良好だった。これらの結果から、acalabrutinibが再発または難治性マントルリンパ腫患者の治療においてacalabrutinibが重要な役割を果たすことが示唆される。

Funding
Acerta Pharma, a member of the AstraZeneca Group.

 

www.ncbi.nlm.nih.gov