メモ帳

血液内科関連の論文について,主にアブストラクトの日本語訳を載せています.基本は自分用メモですので,ご利用の際はその点ご了承ください.

高齢の未治療CLL患者における,イブルチニブレジメンと免疫化学療法の比較

Ibrutinib Regimens versus Chemoimmunotherapy in Older Patients with Untreated CLL.

(N Engl J Med. 2018 Dec 27;379(26):2517-2528.)

PMID: 30501481, PMCID: PMC6325637 [Available on 2019-06-27]

DOI: 10.1056/NEJMoa1812836

 

背景

イブルチニブは2016年に未治療の慢性リンパ性白血病(CLL)患者の治療薬としてFDAから承認されたが,免疫化学療法との比較は行われていない。著者らは,イブルチニブ単剤またはリツキシマブとの併用の有効性を免疫化学療法と比較するため,第3相試験を実施した。

方法

65歳以上の未治療CLL患者をベンダムスチン+リツキシマブ,イブルチニブ,またはイブルチニブ+リツキシマブのいずれかでの治療にランダムに割り付けた。主要評価項目は無増悪生存とした。プロトコルで指定された有効性の基準を満たした後,The Alliance Data and Safety Monitoring Boardがデータをリリースすると決定した。

結果

183人がベンダムスチン+リツキシマブ,182人がイブルチニブ,182がイブルチニブ+リツキシマブでの治療にそれぞれ割り付けられた。無増悪生存期間の中央値が到達したのはベンダムスチン+リツキシマブ群のみだった。2年時点での無増悪生存率の推定値は,ベンダムスチン+リツキシマブ群で74%で,イブルチニブ単剤群(87%; CLL増悪または死亡に関するhazard ratio 0.39,95%信頼区間 0.26-0.58,P<0.001),イブルチニブ+リツキシマブ群(88%,0.39,0.25-0.59,P<0.001)の方が高かった。イブルチニブ+リツキシマブ群とイブルチニブ群の間で,無増悪生存に差はみられなかった(hazard ratio 1.00,95%信頼区間 0.62-1.62,P=0.49)。フォローアップ期間の中央値は38ヶ月で,全生存に関しては3群間で差がみられなかった。grade 3〜5の血液学的有害事象の頻度はベンダムスチン+リツキシマブ群(61%)の方がイブルチニブ群(41%)やイブルチニブ+リツキシマブ群(39%)よりも高く,grade 3〜5の非血液学的有害事象の頻度はベンダムスチン+リツキシマブ群(63%)の方がイブルチニブを含むレジメンよりも低かった(各群74%)。

結論

高齢の未治療CLL患者においては,イブルチニブによる治療の方がベンダムスチン+リツキシマブと比較して無増悪生存で優れていた。イブルチニブ単剤とイブルチニブ+リツキシマブの間で無増悪生存に関して有意な差はみられなかった。

(Funded by the National Cancer Institute and Pharmacyclics; ClinicalTrials.gov number, NCT01886872 .).