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未治療のCD30陽性末梢性T細胞リンパ腫を対象とした,ブレンツキシマブ・ベドチン併用化学療法の第3相試験

Brentuximab vedotin with chemotherapy for CD30-positive peripheral T-cell lymphoma (ECHELON-2): a global, double-blind, randomised, phase 3 trial.
Lancet. 2019 Jan 19;393(10168):229-240
PMID: 30522922, doi: 10.1016/S0140-6736(18)32984-2

背景
第1相試験で観察された心強い活性と管理可能な安全性に基づき,CD30陽性の末梢性T細胞リンパ腫に対する治療としてのA+CHPとCHOPの有効性と安全性を比較するECHELON-2試験が開始された。
A+CHP: ブレンツキシマブ・ベドチン,シクロフォスファミド,ドキソルビシン,プレドニゾロン

 

方法
ECHELON-2は二重盲検,ダブルダミー,プラセボ対照ランダム化第3相試験である。(ECHELON-2 is a double-blind, double-dummy, randomised, placebo-controlled, active-comparator phase 3 study.) 治療歴のなく,適格条件を満たしている成人のCD30陽性の末梢性T細胞リンパ腫患者(75%が全身性の未分化大細胞リンパ腫であることを目標とした)が対象で,17カ国の132施設が参加した。対象患者はランダムに1:1の比でA+CHPまたはCHOPのいずれかの治療に割り付けられ,それぞれの治療を21日毎に6回ないしは8回受けた。ランダム化は,それぞれの地域で行われた病理学的評価による組織亜型と,IPIスコアによって層別化を行った上で行われた。
全ての患者が各サイクルのday1にシクロフォスファミド750 mg/m2とドキソルビシン 50 mg/m2を経静脈的に投与され,day1からday5までプレドニゾロン100 mgを内服した。これに加えて,A+CHP群ではブレンツキシマブ・ベドチン1.8 mg/kgとビンクリスチンのプラセボを,CHOP群ではビンクリスチン 1.4 mg/m2とブレンツキシマブ・ベドチンのプラセボを,それぞれ各サイクルのday1に投与された。
主要評価項目は,割り付けを伏せた上で独立に一元的にレビューされた無増悪生存とし,intention-to-treatで解析した。
This trial is registered with ClinicalTrials.gov, number NCT01777152.

 

結果
2013年1月24日から2016年11月7日までの間に,601人が適格性を評価され,このうち452人が参加し,A+CHP群とCHOP群のいずれかに各群226人ずつランダムに割り付けられた。無増悪生存期間の中央値はA+CHP群が48.2ヶ月(95% CI 35.2〜評価不能),CHOP群が20.8ヶ月(12.7〜47.6)で,ハザード比は0.71(0.54-0.93, p=0.0110)だった。有害事象は発熱性好中球減少症(A+CHP群 41件[18%],CHOP群 33件[15%]),末梢神経障害(117件[52%],124件[55%])の頻度と重症度を含めて両群で類似していた。致死的な有害事象はA+CHP群で7件(3%),CHOP群で9件(4%)みられた。

 

考察
CD30陽性の末梢性T細胞リンパ腫において,A+CHPを用いたフロントライン治療は,無増悪生存と全生存のいずれをも改善し,かつ安全性は管理可能であり,CHOPよりも優れていた。

 

FUNDING:
Seattle Genetics Inc, Millennium Pharmaceuticals Inc, a wholly owned subsidiary of Takeda Pharmacuetical Company Limited, and National Institutes of Health National Cancer Institute Cancer Center.

 

www.ncbi.nlm.nih.gov

 

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