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同種造血幹細胞移植後に脳脊髄液からウイルスが検出されると,予後が悪い

Virus detection in the cerebrospinal fluid of hematopoietic stem cell transplant recipients is associated with poor patient outcomes: a CIBMTR contemporary longitudinal study.

PMID: 30696997 DOI: 10.1038/s41409-019-0457-9

同種造血幹細胞移植(HCT)レシピエントの中枢神経ウイルス(CNS-V)の特性に関するデータは限られている。2007年から2015年までの間に,HCTを実施した27,532人の情報がCenter for International Blood and Marrow Transplant Research (CIBMTR)へ送られた。これらのうち,HCT実施後6ヶ月以内に脳脊髄液からCNS-Vが検出されたという報告があったHCTレシピエントは165人だった。CNSウイルスはhuman herpes virus 6 (HHV-6)が73%と大半を占めており,Epstein-Barrウイルス(10%),サイトメガロウイルス(3%),水痘帯状疱疹ウイルス(3%),単純ヘルペスウイルス(3%),アデノウイルス(3%)が続いた。CNSからウイルスが検出されたタイミングの中央値はHCT後31日で,HHV-6が検出された患者は検出タイミングが早かった。患者の52%では同時にウイルス血症もみられた。臍帯血移植(CBT)レシピエントがCNS-Vの過半数(53%)を占めていた。骨髄破壊的前処置(65%),フルダラビンの使用(63%),抗胸腺グロブリンの使用(61%)も多かった。CNS-V検出から6ヶ月時点での全生存率は50%で,5年時点では30%だった。感染症が上位の死因だった(32%)。

CBTレシピエントがCNS-V検出者の過半を占めていた。CNS-V検出後の予後は不良であり,最初の6ヶ月は特に死亡率が高かった。

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