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抗癌剤の髄腔内投与は高齢DLBCL患者のCNS再発リスクを減らさず、感染症関連毒性の増加と関連した

Stand-alone intrathecal central nervous system (CNS) prophylaxis provide unclear benefit in reducing CNS relapse risk in elderly DLBCL patients treated with R-CHOP and is associated increased infection-related toxicity.
Br J Haematol. 2019 Jun 20.
PMID: 31222719 DOI: 10.1111/bjh.16070

R-CHOPで治療されたびまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)患者の2~5%で中枢神経(CNS)再発がみられる。70歳以上の患者の多くはメトトレキサート大量投与(HDMTX)の適応がないため、抗癌剤の予防的髄腔内投与が行われることがある。CNSに関する国際予後指標CNS international prognostic index (CNS-IPI)はCNS再発に関する臨床的なリスクスコアであり高齢患者に特化した検証は行われていない。70歳以上の患者におけるCNS再発予防の価値は未だに明らかではない。
英国の8つの施設で2009年から2018年までの間にR-CHOPで治療された70歳以上のDLBCL患者690人のデータを収集した。CNS予防は、担当医の判断により実施された。
年齢の中央値は77.2歳、フォローアップ期間の中央値は2.8年だった。CNS-IPIは1~3が60.1%、4が23.8%、5が13.0%、6が3.3%だった。腎または副腎に病変がみられた患者は8.8%だった。
2年間のCNS再発率は全体で2.6%、CNS-IPIのスコア別にみると1~3で0.8%、4で3.6%、5で3.8%、6で21.8%だった。腎または副腎に病変がみられた患者では、2年CNS再発率は10.0%だった。
HDMTXを受けた患者(n=31)を除外すると、予防的髄腔内投与の有無でCNS-IPI別でみた未調整/調整CNS再発率に差はみられなかった。
CNS-IPIはR-CHOPで治療された高齢のDLBCL患者においても有効であり、CNS-IPIが6で腎または副腎に病変がみられた患者で最もリスクが高かった。
今回の研究では、予防的髄腔内投与単独のベネフィットはみられなかったが、R-CHOPを行っている間に予防的髄腔内投与が行うと感染症に関連した入院のリスクが上昇した。