メモ帳

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骨浸潤のある中悪性度B細胞リンパ腫に対する、リツキシマブと放射線治療のインパクト

Impact of Rituximab and Radiotherapy on Outcome of Patients With Aggressive B-Cell Lymphoma and Skeletal Involvement
(JCO 2013;31:4115-4122)

[目的] リツキシマブ併用、非併用で治療された、骨浸潤を伴った中悪性度B細胞リンパ腫患者における臨床的特徴、治療成績、放射線治療の役割についての研究。
[患者・方法] German High-Grade Non-Hodgkin lymphoma Study Groupが行った9つの前向き臨床試験に参加した患者のうち、臨床試験骨浸潤を伴った患者の治療成績について後ろ向きに解析した。
[結果] 合計3,840人の参加者のうち、292人(7.6%)で骨浸潤がみられた。若年の予後良好患者を対象としたMInT(MabThera International Trial)と、60歳以上の患者を対象としたRICOVER-60試験のいずれにおいても、リツキシマブの併用は骨浸潤の無い患者の予後を改善した。し かし、骨浸潤のある患者においては予後を改善することはできなかった。R-CHOP療法を受けた患者では骨浸潤が予後の悪さと関連していたが、CHOP療 法を受けた患者では関連していなかった。リツキシマブと対照的に、骨浸潤部位に対する放射線治療の追加は予後を改善した。
[結論] リツキシマブは骨浸潤を伴ったびまん性大細胞型B細胞リンパ腫患者の治療成績を改善出来なかったが、本研究では骨浸潤部位に対する放射線治療の有効性が示唆された。化学療法後にPET陰性となった場合に骨浸潤部位への放射線治療が省略出来るかどうかについて、適切にデザインされた前向き試験を行うべきである。