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血管内大細胞型B細胞リンパ腫20例の臨床的特徴と治療成績

血管内大細胞型B細胞リンパ腫(intravascular large B-cell lymphoma; IVLBCL)はいわゆる「血管内リンパ腫」のことです。

Clinical features and treatment outcomes of intravascular large B-cell lymphoma: a single-center experience in Korea
(Acta Haematol 2014;131:18-27)

[背景] IVLBCLは数が少なく病理学的に難解であるため、レビューの数は少ない。
[方法] サムスンメディカルセンターで病理学的にIVLBCLと診断された20例を解析した。
[結果] 発症時の症状は非特異的で、発熱、血球減少、高LDH血症、低アルブミン血症などがみられた。血球貪食症候群の合併が多く、病理診断が得られた部位として 骨髄が最も多かった。肝脾腫、胸水、肺のスリガラス状陰影もよくみられ、FDG-PETでは浸潤臓器での集積亢進がみられた。全ての患者がCHOPまたは R-CHOPで治療されていた。生存期間中央値は38.9か月(95%信頼区間6.7-71.7)で、R-CHOP群はCHOP群よりも3年生存率が高 かった(71.4% vs 25.0%, p = 0.027)。血球貪食症候群合併例は非合併例よりも3年生存率が低く(29.6% vs 75%, p = 0.046)、予後因子解析では胸水がOSの悪さと関連していた。
[結論] リツキシマブ併用化学療法はIVLBCLの治療成績を改善しうる。また、胸水はIVLBCLの予後不良因子かもしれない。