メモ帳

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経口melphalan、dexamethasone療法は最小の毒性でALアミロイドーシスの生存期間を延長する

Oral melphalan and dexamethasone grants extended survival with minimal toxity in AL amyloidosis: long-term results of a risk-adapted approach
(haematologica 2014;99:743-50)

経口メルファランとデキサメタゾンの併用療法は自家移植の適応が無いALアミロイドーシス患者の標準治療と考えられている。しかし、これまでの臨床 試験で報告された奏功率や生存率は様々で、これはハイリスク患者の割合に差があったことが主な原因である。本研究においては259例が対象となり、このう ち119例は標準用量のメルファランとデキサメタゾン(40 mg day1-4)で治療され、140例は心疾患を合併していたためデキサメタゾンを減量(20 mg)して治療された。血液学的奏功率は標準用量群で76%、減量群で51%、このうち完全奏功率はそれぞれ31%、12%だった。生存期間中央値は標準 用量群で7.4年、減量群で20か月だった。大量デキサメタゾン療法、NT-proBNP>1800 ng/L、free light chainの差>180 mg/L、トロポニン I >0.07 ng/mL、治療への反応が独立した予後因子だった。再発難治例においては、ボルテゾミブ併用療法が最も高い血液学的奏功率(79%、63%)を示した。
要約すると、メルファランとデキサメタゾンは最小の毒性で高い効果を示し、ALアミロイドーシスの治療において中心的な役割を果たすことが確認され た。ボルテゾミブをメルファラン、デキサメタゾンと併用して初期治療に用いた方がよいのか、救援療法として用いた方がよいのかは今後無作為化し件で明らか にされるだろう。