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Mantle-cell lymphoma international prognostic index (MIPI)の検証

Confirmation of the Mantle-Cell Lymphoma International Prognostic Index in Randomized Trials of the European Mantle-Cell Lymphoma Network.
(JCO 2014, PMID 24687837)

[目的] マントル細胞リンパ腫(MCL)はB細胞リンパ腫の中の独立した組織型で、予後が不良である。2008年に、MCL患者に特化して予後を層別化する初めてのツールとしてMIPIが開発された。European MCL Networkで最近実施された2つの臨床試験のコホートを用いて、MIPIの妥当性を検証した。
[患者・方法] MCL YoungerとMCL Elderyの2つの臨床試験でupfrontに治療されたMCL患者958例(年齢中央値65歳, 32-87)を対象として、MIPIがOS、TTF (time to treatment failure)に与える影響を検討した。
[結果] MIPIリスク群別の5年全生存率はlow 83%、intermediate 63%、high 34%だった。全生存率についてのhazard ratioはintermediate vs lowで2.1 (95% CI, 1.5-2.9)、high vs intermediateで2.6 (2.0-3.3)だった。MIPIはTTFについても同様に影響していた。MIPIを構成する年齢、performance status、血清LDH値、白血球数はいずれもOS、TTFの独立した予測因子だった。MIPIの妥当性は臨床試験のコホート、治療戦略いずれとも独立していた。
[結論] MIPIは標準的治療とされている治療を同じように受けた大規模なMCLの集団において、妥当性が確認された。最近のガイドラインに反映されているように、MIPIは実地臨床だけでなく臨床研究においても広く適用可能な予後予測ツールとなっており、リスクに応じた治療戦略を開発してMCLの予後を改善する手助けとなりうる。