メモ帳

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マントル細胞リンパ腫に対する自家幹細胞移植の治療成績

Autologous stem cell transplantation in mantle cell lymphoma: a report from the SFGM-TC.
(Ann Hematol 2014;93:233-242)

自家幹細胞移植は若年のマントル細胞リンパ腫(MCL)患者にとって魅力的な治療選択肢の一つと考えられている。本研究はSFGM-TC studyの後ろ向き解析で、自家移植を受けたMCL患者500例を解析し、upfrontに自家移植を受けた患者(n=396)の予後に影響するかもしれないパラメータを探索した。全患者について、自家移植時点の年齢中央値は56歳(26-71)で、観察期間中央値は34か月だった。3年時点の無増悪生存率、全生存率はそれぞれ63.5%(95% CI, 58.7-68.6)、79.5%(75.3-83.4)だった。自家移植から再発までの期間の中央値は22か月(0-136か月)だった。upfrontに自家移植を受けた患者の多変量解析では、年齢(HR=2 [1.2-3.4]; p=0.01, HR=2.3 [1.2-4.5]; p=0.01)、自家移植時点での疾患の状態(HR=1.7 [1.1-2.6]; p=0.01, HR=1.8 [1.1-3.1]; p=0.03)、rituximabの使用(HR=0.5 [0.3-0.8]; p=0.002, HR=0.5 [0.3-0.9]; 0.01)がPFSとOSの両方に影響していた。また、1st line治療でアントラサイクリンと大量シタラビンを含む治療を受けた後にTAMでconditioningして自家移植を受けるとPFSが改善した。結論として、MCLに対する自家移植は奏功率が高いものの(upfrontに行われた場合でさえも)治癒をもたらすには不十分であることが示唆され、完全奏功率を高め、移植後に効果を持続させることを目的とした革新的な方法が必要であることが本研究から明確になった。