メモ帳

自分用のメモです。

未治療マントル細胞リンパ腫に対する強力な免疫化学療法と自家造血幹細胞移植の治療成績

この論文は、MCL-2 trialの(2008年の報告に続く)長期観察報告です。2008年の報告はこちらです。 → 参照記事

Nordic MCL2 trial update: six-year follow-up after intensive immunochemotherapy for untreated mantle cell lymphoma followed by BEAM or BEAC + autologous stem-cell support: still very long survival but late relapses do occur.
(Br J Haematol 2012;158:355-362)

マ ントル細胞リンパ腫は非ホジキンリンパ腫の不均一なentityであり、生存期間中央値は約5年である。2008年に著者らは観察期間中央値4年の結果に 基づき、Nordic Lymphoma Gropu MCL2 studyの結果を報告した。MCL2 studyは強力な免疫化学療法と自家造血幹細胞移植からなり、5年無イベント生存率が60%を超えた。今回著者らは観察期間中央値6.5年を超えた新た なデータを提示した。全体として成績は依然として素晴らしく、全生存期間と効果持続期間の中央値は10年を超え、無イベント生存期間の中央値は7.4年で あった。しかし、6例が治療終了後5年未満で増悪した。MIPIとKi-67発現のみが独立した予後因子であった。MIPI-Biological index (MIPI + Ki-67, MIPI-B)で細分化すると、low〜intermediate risk群の70%以上が10年時点で生存していたが、high risk群では23%しか生存していなかった。これらの結果は、大半の患者を力付けるものではあるが、riskに応じたMCLの治療戦略が必要であること を強調するものであった。