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マントル細胞リンパ腫においては複雑核型がMIPIと独立した強力な予後因子であり、indolent MCL同定に有用である

Complex karyotype in mantle cell lymphoma is a strong prognostic factor for the time to treatment and overall survival, independent of the MCL international prognostic index.
(Genes Chromosomes Cancer 2014;53:106-116)

マントル細胞リンパ腫(MCL)はほとんどの場合aggressiveな疾患である。しかし、強力な化学療法を行わずに長期間生存すると定義される緩徐進行型(indolent MCL; iMCL)も少数例存在する。多くの研究が付加染色体異常の予後についての役割を明確にしてきたが、これらの異常は日常的には検査されず、また未だ治療法の決定には影響しない。著者らはこれらの付加的異常が持つ予後へのインパクトを従来的な細胞遺伝学的検査で評価し、臨床的な特徴とiMCLを同定する上での価値を評価した。
1995年から2011年までに4つの施設で診断されたMCLを、有用な核型であるt(11;14)の診断時点での存在をもとにして後ろ向きに集めた。合計で125例が集められ、観察期間の中央値は35か月だった。全生存期間と無治療生存期間の中央値はそれぞれ73.7か月と1.3か月だった。多変量解析の結果、MIPIでhighに該当、複雑核型、芽球様形態がそれぞれ独立してOSの短縮と関連していた。脾腫、nodal presentation、extra-hematological involvement、複雑核型が無治療生存期間の短縮と関連していた。これらの要因に基づいたスコアでiMCL症例(無治療生存期間中央値107か月)をその他の症例(1か月)から同定することができた。結論として、今回多施設から集めたMCL患者のコホートにおいて、複雑核型が生存期間短縮と関連しており、診断時点でiMCLを同定することが可能であった。