メモ帳

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低悪性度またはtransformした非ホジキンリンパ腫とマントル細胞リンパ腫を対象としたbortezomib併用BEAM-ASCTの第1/2相試験

Phase I/II study of bortezomib-BEAM and autologous hematopoietic stem cell transplantation for relapsed indolent non-Hodgkin lymphoma, transformed, or mantle cell lymphoma.
(Biol Blood Marrow Transplant 2014;20:536-542)

標準的BEAMと自家造血幹細胞移植(ASCT)にbortezomibを併用する治療の有効性と安全性を評価する第1/2相試験をデザインした。適格症例は再発・難治性の低悪性度、あるいはtransformした非ホジキンリンパ腫と、再発・難治性または第1(完全、部分)寛解期のマントル細胞リンパ腫(MCL)とした。
対象患者はASCT前のday -11, -8, -5, -2にbortezomibを投与された。第1相試験では4段階の用量でコホートを作り(0.8, 1.0, 1.3, 1.5 mg/m^2)、それぞれに3例ずつを割り付けた。day -11から生着までの間にみられた、ASCTに関連する全ての非血液毒性(bearman scale > 2)により最大耐用量を設定した。最大耐用量に達した後、さらに20例をそのコホートに割り付け、予備的な全奏功率を測定した。day 100の時点でCRまたはPRの状態にあった患者をresponderと判断した。
今回の試験には42例が登録された。年齢中央値は58歳(34-73)で、33例が男性で9例が女性だった。最も多い病型はMCL (23例)で、濾胞性リンパ腫(7例)がそれに次いだ。前治療数の中央値は1 (0-6)だった。観察期間中央値は4.88年 (1.07-6.98)だった。13例が第1相試験で、29例が第2相試験で治療された。最大耐用量はまず1.5 mg/m^2と決定されたが、消化管毒性と神経障害が強かったため後で1.0 mg/m^2に減量された。
全奏功率はday 100時点で95%、1年時点で87%だった。評価可能だった38例についてみると、1年時点でCRが84%、PRが1%(???)、PDが13%だった。無増悪生存率は1年時点で83% (95% CI, 68-92)、5年時点で32% (15-51)だった。全生存率は1年時点で91% (79-96)、5年時点で67% (50-79)だった。grade 3の毒性で多かったものは発熱性好中球減少症(59%)、食思不振(21%)、末梢神経障害(19%)、起立性低血圧・血管迷走神経性失神(16%)で、生着不全が1例あった。
第1完全寛解期にBEAMとASCTで治療された26例のhistrical controlと比較すると、BEAM群ではPFSが1年時点で85%、5年時点で43%であり、bortezomib併用BEAM (V-BEAM)ではそれぞれ87%、57%だった(P=0.37)。また、全生存率はBEAM群で88%と50%、V-BEAM群で96%と72%だった(P=0.78)。
結論として、V-BEAMとASCTは実施可能であった。毒性は管理可能であり、治療関連死はみられなかった。しかし一方で、BEAMの毒性と重複すると懸念される自律神経機能不全とイレウスが多くみられた。V-BEAMとBEAMの有効性を比較するためには、無作為化試験を行う必要がある。