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自家幹細胞移植併用大量化学療法後に長期間臨床的、分子生物学的寛解を維持しているマントル細胞リンパ腫患者の検討

Long-term clinical and molecular remissions in patients with mantle cell lymphoma following high-dose therapy and autologous stem cell transplantation.
(Ann Hematol 2014;93:803-810)

自家幹細胞移植を併用した大量化学療法(HDT-ASCT)の後に臨床的、分子生物学的寛解を長期間維持しているマントル細胞リンパ腫(MCL)患者の検討はわずかしか行われていない。
36例のMCL患者が著者らの施設でASCTを受け、そのうち1st lineの治療として受けたのが27例、2nd lineが8例、3rd lineが1例だった。5年以上寛解を維持した8例について、最後のフォローアップ時に微小残存病変を調べるために末梢血液のPCR(t(11;14)とIgH)が行われた。ASCT後10年時点での全生存率、無増悪生存率、freedom from progression (FFP)は1st line群でそれぞれ42%、43%、54%で、2nd line群では全て0%であった。また、4年時点での成績は、1st line群で75%、48%、61%で、2nd line群で55%、30%、30%だった。ASCT後3か月の治療関連死亡率は0%だった。OS、PFS、FFPに影響した予後因子は、移植のタイミングのみだった(p = 0.011, p = 0.046, p = 0.023)。ASCTから5年経過した後は再発はみられなかった。これまでのところ、1st lineでASCTを受けた8例は最長14.6年にわたって臨床的、分子生物学的に寛解を維持している。1st line治療の中でASCTを受けた症例は長期間臨床的、分子生物学的に寛解を維持できる可能性がある一方で、2nd line治療の中で受けたケースでは明らかにその可能性が低い。