メモ帳

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再発・難治CLL、SLL患者を対象としたibrutinibとofatumumabの第3相臨床試験

Ibrutinib versus Ofatumumab in Previously Treated Chronic Lymphoid Leukemia.

NEJM 2014, PMID 24881631

 

[背景] 慢性リンパ性白血病(CLL)と小リンパ球性リンパ腫(SLL)の患者において、治療への反応期間が短かいことや、特定の染色体異常が予後の悪さと関連している。著者らは、予後不良リスクのある患者におけるBruton's tyrosine kinase阻害剤であるibrutinibの有効性を評価した。

[方法] 今回の多施設参加オープンラベル第3相試験において、著者らは再発・難治CLL、SLL患者391例を無作為にibrutinib連日内服群か、あるいは抗CD20抗体であるofatumumab投与群に割り付けた。主要評価項目は無増悪生存期間(PFS)で、全生存期間(OS)と全奏功率(ORR)を副次評価項目とした。

[結果] 観察期間の中央値は9.4ヶ月で、ibrutinibは有意にPFSを改善した; PFS中央値はiburutinib群で未到達(6ヶ月無増悪生存率88%)であった一方、ofatumumab群では8.1ヶ月だった(ibrutinib群における、原病増悪または死亡についてのhazard ratioは0.22; p<0.001)。また、ibrutinibはOSも有意に改善した(hazard ratio 0.43; p=0.005)。12ヶ月時点での全生存率はibrutinib群で90%、ofatumumab群で81%だった。全奏功率はibrutinib群において有意に高かった(42.6% vs 4.1%, p<0.001)。ibrutinib群においては、リンパ球増多を伴う部分奏功が20%でみられた。17p13.1の欠失の有無、プリンアナログへの抵抗性にかかわらず同様の効果がみられた。非血液毒性で最も頻度が高かったのは、ibrutinib群では下痢、倦怠感、発熱、悪心で、ofatumumab群では倦怠感、投与時反応、咳嗽だった。

[結論] 前治療歴のあるCLL、SLL患者において、ibrutinibはofatumumabと比較してPFS、OS、ORRを有意に改善した。