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濾胞性リンパ腫の初回治療後に実施するPET-CTの予後予測力

Prognostic value of PET-CT after first-line therapy in patients with follicular lymphoma: a pooled analysis of central scan review in three multicentre studies

(Lancet Haematology 2014;1:e17-e27)

[背景] 濾胞性リンパ腫に対するfirst lineのリツキシマブ併用化学療法後の治療効果評価における18F-fluorodeoxyglucose (FDG) PET-CT (PET)の有用性はこれまでにも実証されてきた。著者らは濾胞性リンパ腫における導入療法後のPETの結果と生存率との相関性を評価するために、3つの臨床試験の参加者からなる大きなコホートを対象として、five-point Deauville scale (5PS; PETにおいてFDGの集積をスコア化するために用いられる)の妥当性を解析した。

[方法] 今回のプール解析で、著者らは、腫瘍量の多い濾胞性リンパ腫に対する初回治療としてリツキシマブ併用化学療法を行った3つの多施設参加前向き臨床試験(PRIMA study、PET-Folliculaire study、FOLL05 study)の結果を使用した。この解析では、従来の造影CTとPET 低線量CT (PET)による効果判定の前に少なくとも6サイクルのリツキシマブと化学療法を受けた症例を対象とした。また、最後の(導入療法としての)リツキシマブ投与から3か月以内にPETを実施した症例のみを対象とした。PETのレビューを行った全症例において、従来の造影CTに基づいた効果判定を含む症例データが記録された。central reviewを受けるPET画像は、5PSに従って3人のreviewerにより独立してスコア化された。主要評価項目は、導入療法後の5PSスコア(4ポイント以上を陽性、4ポイント未満を陰性と判定)に別の無増悪生存率と全生存率とした。

[結果] 2004年12月24日から2010年9月22日までの間に、3つの臨床試験に参加した症例のうち439例がPETによる各施設での評価を受け、そのうち246例が導入療法後のcentral reviewを受けた。246例のうち41例(17%)が導入療法後のPETで5PS 4点以上のカットオフ値による陽性であり、報告は一致していた。観察期間の中央値は54.8か月(IQR 39.7〜68.5、range 7.7〜90.1)で、無増悪生存率、全生存率におけるPET陽性のhazard比は3.9(95% CI 2.5-5.9; p<0.0001)、6.7(2.4-18.5; p=0.0002)だった。PET陽性だった症例では23.2%(95% CI 11.1-37.9)が4年経過時点で無増悪生存していたのに対して、PET陰性の症例では63.4%(55.9-70.0)が無増悪生存していた(p<0.0001)。また、4年全生存率は87.2%(71.9-94.5)と97.1%(93.2-98.8)だった(p<0.0001)。従来の造影CTに基づいた治療効果判定(CR/CRu vs PR)は、無増悪生存率の予測力が弱かった(HR 1.7 [95% CI 1.1-2.5]; p=0.017)。

[解釈] 実地臨床においては、従来の造影CTよりも、PET-CTを濾胞性リンパ腫の新たな標準的効果判定法として考えるべきであり、効果に応じた治療を行う上での一助となる可能性がある。