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再発・難治性アグレッシブリンパ腫に対する自家移植前のGDP療法の有効性

Randomized Comparison of Gemcitabine, Dexamethasone, and Cisplatin Versus Dexamethasone, Cytarabine, and Cisplatin Chemotherapy Before Autologous Stem-Cell Transplantation for Relapsed and Refractory Aggressive Lymphomas

(JCO 2014;32:3490-3496)

[目的] 著者らは、再発または難治性のアグレッシブリンパ腫に対する自家幹細胞移植前の治療として、gemcitabineベースの治療が標準的治療と同等の効果を持ちかつ毒性がより軽いという仮説を立てた。

[患者・方法] 再発・難治性アグレッシブリンパ腫619例がgemcitabine、dexamethasone、cisplatin (GDP)群とdexamethasone、cytarabine、cisplatin (DHAP)群に無作為に割り付けられた。B細胞リンパ腫の症例はrituximabも投与された。治療効果のあった症例は幹細胞採取と自家幹細胞移植に進んだ。主要評価項目は治療2サイクル終了後の全奏功率と、移植率とした。GDP両方奏功率のDHAPに対する非劣性マージンは10%に設定した。副次評価項目は無イベント生存率、全生存率、治療毒性、QOLとした。

[結果] intention-to-treat解析の結果、GDPの奏功率は45.2%、DHAPのそれは44.0%であり(差の95% CI, -9.0-6.7%)、本プロトコールにより設定されていた非劣性クライテリアに合致した(p = 0.005)。per-protocol解析でも同様の結果がみられた。また、移植率はGDP群が52.1%、DHAP群が4.4%だった。観察期間の中央値は54か月で、この間にGDP群とDHAP群の間で無イベント生存率と全生存率の差はみられなかった(HR 0.99, p = 0.95)。GDPによる治療は毒性の軽さ(p < 0.001)、入院の少なさ(p < 0.001)、QOLの維持と関連していた(P = 0.04)。

[結論] 再発または難治性のアグレッシブリンパ腫におけるDHAP療法との比較において、GDP療法による治療は奏功率が劣っておらず、移植率、EFS、OSは同等で、毒性と入院は少なくQOLは優れていた。