メモ帳

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rituximab曝露時間を延長することで予後不良因子を多く持つ高齢者DLBCLの治療成績が改善するかもしれない

Optimization of Rituximab for the Treatment of Diffuse Large B-Cell Lymphoma (II): Extended Rituximab Exposure Time in the SMARTE-R-CHOP-14 Trial of the German High-Grade Non-Hodgkin Lymphoma Study Group

(JCO 2014;32:4127-4133)

【目的】高齢DLBCLにおいて、rituximabへの曝露時間を延長した際の薬物動態、毒性、効果について検討する。

【患者・方法】SMARTE-R-CHOP-14試験において、rituximab 375mg/m^2を14日毎のCHOP(6コース)と併用して投与した。ただしrituximabはday -4、0、10、29、57、99、155、239に投与した。薬物動態と治療効果はRICOVER-60試験においてR-CHOP x 6 (14日毎) + rituximab x 8 (14日毎)で治療された群と比較した。

【結果】評価可能な189例において、CR/CRu達成率は85%、IPIが1または2の予後良好群90例においては90%、IPIが3〜5の予後不良群99例では81%だった。また、3年無イベント生存率はそれぞれ71%、75%、67%、3年全生存率は84%、88%、80%で、男女間に差はみられなかった。事前に計画されたRICOVER-60試験306例(予後良好群183例、予後不良群123例)との比較では、予後良好群については差はみられなかった。しかし予後不良群ではSMARTE-R-CHOP-14における長時間曝露が良好な3年無イベント生存率(67% vs 54%)、3年全生存率(80% vs 67%)と関連していた。

【結論】R-CHOP-14 x 6 + rituximab x 8 (14日毎)との比較で、rituximab曝露時間を延長することで高齢DLBCLの治療成績が予後不良群で改善し、毒性の増加はみられなかった。著者らの知る限りにおいて、SMARTE-R-CHOP-14で得られた結果は今日までに報告された高齢者DLBCLの治療成績の中で最も良かった。rituximab曝露時間を延長して治療された予後不良群については、その治療成績はR-CHOP-14 x 6 + 2-week rituximabで治療された同様のコホートの成績よりも優れており、かつ毒性は同等だった。2つの治療スケジュールを無作為化して比較する試験が是認される。