メモ帳

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多発性骨髄腫の同種造血幹細胞移植後に生じる二次性MGUSについての検討

Secondary monoclonal gammopathy of undetermined significance after allogeneic stem cell transplantation in multiple myeloma

(Haematologica 2014;99:1846-1853)

多発性骨髄腫の経過において、初発時と異なるM蛋白のバンド:二次性のMGUS(monoclonal gammopathy of undetermined significance)が生じるかもしれない。この単施設後ろ向き解析で、著者らは同種造血幹細胞移植後の二次性MGUS(移植後MGUS)の発生と 臨床的な関連について記述した。この研究には138例が登録され、延べ139回の同種造血細胞移植が実施された(39.6%がupfrontで、 60.4%が再発後に実施された)。

67例(48.2%)で二次性MGUSがみられ、発生までの期間中央値は6.9ヶ月だった。二次性MGUSの発生率は、同種移植後にvery good partial response以上の奏功がみられた症例の方が、partial response以下の症例よりも有意に高かった(54.8% vs 26.5%; p=0.005)。また、upfrontに移植を実施した場合の方が再発時に実施した場合よりも発生率が高く、血縁者ドナーから移植された症例の方が非血縁者ドナーの場合よりも 二次性MGUSの発生率が高かったが、T細胞除去を行った症例では発生率が低かった。移植後MGUSが発生した症例では無増悪生存期間、全生存期間が有意に優れていた(無増悪生存期間中央値 37.5ヶ月 vs 6.3ヶ月, p<0.001; 全生存期間中央値 115.3ヶ月 vs 31.0ヶ月; p=0.004)。

臨床医は、この現象が持つ良性の性質について知っておくべきであり、二次性MGUSは疾患の再発や増悪と混同されてはならない。