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リツキシマブ抵抗性indolentリンパ腫患者を対象とした、obinutuzumabとベンダムスチンの併用療法に関する第3相試験

記事名が長く、分かりづらくて申し訳ないです。。。

 

Obinutuzumab plus bendamustine versus bendamustine monotherapy in patients with rituximab-refractory indolent non-Hodgkin lymphoma (GADOLIN): a randomised, controlled, open-label, multicentre, phase 3 trial

Lancet Oncol 2016, http://dx.doi.org/10.1016/S1470-2045(16)30097-3

 

背景

indolent非ホジキンリンパ腫は、リツキシマブベースの治療で病勢を適切にコントロール出来ない場合、治療の選択肢は殆どなく、またその予後は不良である。著者らは、このような症例における、糖鎖改変型タイプIICD20モノクローナル抗体であるobinutuzumab (GA101)とベンダムスチンの併用療法を評価した。

 

方法

今回のオープンラベル無作為化第3相試験(GADOLIN)においては、組織学的に診断された18歳以上のリツキシマブ抵抗性indolent非ホジキンリンパ腫患者がヨーロッパ、アジア、北中米14カ国の83施設で登録された。患者はリンパ腫の亜型、リツキシマブ抵抗性のタイプ、前治療数、地域によって層別化され、hierarchial dynamic randomisation schemeobinutuzumab + ベンダムスチン群とベンダムスチン単剤投与群に割り付けられた。治療は28日毎に6サイクル予定された。obinutuzumab + ベンダムスチン群の用量はobinutuzumab 1000mg (cycle1day1,8,15cycle26day1) + ベンダムスチン 90mg/m^2 (day1,2)、ベンダムスチン単剤投与群の用量は120mg/m^2 (day1,2)とした。obinutuzumab + ベンダムスチン群においてリンパ腫の増悪がみられなかった患者はobinutuzumab 1000mg (2ヶ月毎投与)の維持療法を最長2年間にわたって受けた。primary endpointは無作為割付された全患者の無増悪生存率で、独立したreview committeeによって評価された。安全性はobinutuzumabまたはベンダムスチンを投与された全ての患者において評価された。

 

結果

2010415日から事前に計画されていた中間解析後の201491日に研究が停止されるまでの間に396人が無作為に割り付けられた(併用群 194人、単剤群 202)。観察期間は併用群で21.9ヶ月、単剤群で20.3ヶ月で、無増悪生存期間は併用群(中央値未到達、95% CI 22.5~推定不能)の方が単剤群(中央値14.9ヶ月、12.816.6)よりも有意に長かった(hazard ratio 0.5595% CI 0.400.74p=0.0001)grade3-5の有害事象は併用群では194例中132(68%)、単剤群では198例中123(62%)でみられた。grade3以上の有害事象で最も多かったのは好中球減少(併用群64[33%] vs 単剤群52[26%])、血小板減少(21[11%] vs 32[16%])、貧血(15[8%] vs 20[10%])infusion-related reaction(21[11%] vs 11[6%])だった。重篤な有害事象は併用群で74(38%)、単剤群で65(33%)にみえあれ、有害事象による死亡は両群12(6%)ずつみられた。有害事象に関連した死亡のうち、併用群での3例と単剤群での5例は治療に関連したものだった。

 

解釈

リツキシマブ抵抗性のindolent非ホジキンリンパ腫において、obinutuzumabとベンダムスチンの併用と、それに引き続くobinutuzumabによる維持治療は、ベンダムスチン単剤と比較して効果を改善し、毒性は管理可能であった。リツキシマブベースの治療後に再発した患者や、反応性が失われたケース患者における新たな治療選択肢である。