メモ帳

自分用のメモです。

再発・難治性骨髄腫に対するdaratumumab単剤治療

Targeting CD38 with Daratumumab Monotherapy in Multiple Myeloma.

www.ncbi.nlm.nih.gov

背景 骨髄腫細胞は一様にCD38を発現している。著者らはCD38を標的としたヒトIgG1κ型モノクローナル抗体であるdaratumumabについて、再発骨髄腫または再発後2種類以上の治療に抵抗性の骨髄腫の患者を対象とした第1、2相試験で評価した。

方法 用量漸増相であるpart 1において、著者らはdaratumumabを0.005 mg/kgBWから24 mg/kgBWまでの用量で投与した。dose-expansion phaseであるpart 2において、30人の患者にdaratumumabを8 mg/kg、42人に16 mg/kgをそれぞれ週1回(合計8回)、月2回(合計8回)、月1回投与した(最長24ヶ月)。end pointは安全性、有効性、薬物動態とした。

結果 part 1において、最大耐用量に到達することはなかった。part 2において、診断からの期間の中央値は5.7年だった。患者の前治療レジメンの中央値は4だった。患者のうち79%が最後の治療に抵抗性(64%がプロテアソーム阻害剤とIMIDsに抵抗性、64%がボルテゾミブとレナリドミドに抵抗性)であり、76%が自家幹細胞移植を受けていた。part 2における投与関連反応は軽度であり(71%でgrade 1〜4の有害事象がみられたが、grade 3の有害事象は1%だった)、用量依存性の有害事象はみられなかった。grade 3または4の有害事象のうち最も頻度が高いもの(5%以上)は肺炎と血小板減少だった。全奏効率は16 mg/kg投与された群で36% (部分奏功以上が15人、完全奏功が2人、very good partial responseが2人)、8 mg/kg投与された群で10%(部分奏功が3人)だった。16 mg/kg投与された群において、無増悪生存期間の中央値は5.6ヶ月(95%信頼区間 4.2〜8.1ヶ月)であり、効果のあった患者のうち65%(95%信頼区間 28〜86%)は12ヶ月時点で骨髄腫の増悪がみられなかった。

結論 daratumumab単剤治療は濃厚な治療歴があり治療抵抗性となった骨髄腫患者において良好な安全性と有望な効果を示した。