精巣リンパに病変のあるDLBCL:リツキシマブ時代における、CNS再発率とリスク
Diffuse large B-cell lymphoma with testicular involvement: outcome and risk of CNS relapse in the rituximab era.
Br J Haematol. 2016, PMID 27739058
リツキシマブを治療に加えることで、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)の治療成績は改善したが、しかしながら精巣に病変があるケースにおけるリツキシマブのインパクトについては情報が限られている。
British Columbia Cancer Agency Lymphoid Cancer Databaseから、精巣に病変のあるDLBCL、かつ根治を目指した強度の治療を受けた症例を抽出した。
1982年から2015年までに、合計134例が精巣に病変のあるDLBCLと診断されており、このうち61例がCHOP(またはCHOPに類似したレジメン)で治療されており、73例がR-CHOPで治療されていた。
R-CHOPで治療された群は、IPIスコアが高い症例の割合が高かった(P=0.005)。多変量解析では、リツキシマブがIPIと独立して無増悪生存、全生存、累積増悪に関して保護的な効果を示した(hazard ratio: 無増悪生存 0.42、P<0.001。全生存 0.39、P<0.001。累積増悪 0.46、P=0.014)。
しかし、中枢神経(CNS)予防とCNS-IPI含めた競合リスク多変量解析では、リツキシマブはCNS再発リスクの低下と関連していなかった。
精巣に病変のあるDLBCLにおいて、リツキシマブの追加はリンパ腫の再発リスクを減少させたが、おそらく全身の病変に対する効果によるものだろう。しかし、CNS再発リスクは依然として高く、効果的な予防戦略を評価するためのさらなる試験が必要である。
参考:CNS-IPI