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HLA半合致ドナーと合致血縁ドナーからの末梢血幹細胞移植:GVHD頻度、生存率等の比較

Similar incidence of severe acute GVHD and less severe chronic GVHD in PBSCT from unmanipulated, haploidentical donors compared with that from matched sibling donors for patients with haematological malignancies.

Br J Haematol. 2016, PMID 27714774

www.ncbi.nlm.nih.gov

同時期に骨髄破壊的前処置を行ってHLA半合致ドナー(HID)から末梢血幹細胞移植(PBSCT)を受けた患者とHLA合致血縁ドナー(MSD)からPBSCTを受けた患者を対象に、GVHDの特徴を比較した。

HID群は原病が進行している患者が多かった。両群ともに同じGVHD予防を受けており、HID群では抗胸腺グロブリン(ATG)も使用した。HID群ではMSD群と比較して、grade 2-4の急性GVHDの累積発症率が高く(35.1% vs 13.9%、P=0.003)、grade 3-4の累積頻度に差はなく(14.5% vs 9.8%、P=0.595)、全身型GVHDの3年累積発症率は低く(5.8% vs 21.2%、P=0.049)、重症慢性GVHDも低かった(5.8% vs 21.2%、P=0.049)。両群間で傷害臓器数に差はみられなかった。HID群ではMSD群と比較して3年無再発死亡率が高く(24.0% vs 10.2%、P=0.014)、3年累積再発率も高く(39.0% vs 22.6%、P=0.032)、3年無増悪生存率は低かった(45.7% vs 78.9%、P=0.000)。HID群の患者はKarnofsky scoreが90を超えている割合がMSD群よりも高かった(P=0.016)。

結論として、HLA半合致ドナーからのPBSCTプロトコールにおいて、ATGが鍵となる役割を果たしており、生存者のQOL改善をもたらしている。