メモ帳

自分用のメモです。

中枢神経リンパ腫に対する、チオテパ、ブスルファン、シクロフォスファミドによる前処置後の自家幹細胞移植:毒性の評価

A Comprehensive Assessment of Toxicities in Patients with CNS Lymphoma Undergoing Autologous Stem Cell Transplantation Using Thiotepa, Busulfan and Cyclophosphamide Conditioning.

Biol Blood Marrow Transplant. 2016, PMID 27713090

www.ncbi.nlm.nih.gov

チオテパ、ブスルファン、シクロフォスファミドによる前処置(TBC)を行う自家幹細胞移植併用大量化学療法(HDT-ASCT)は、中枢神経原発リンパ腫(PCNSL)、二次性中枢神経リンパ腫(SCNSL)における導入療法後の有効な治療戦略として注目されている。しかし、この治療は近年においてもかなりの毒性や移植関連死亡と関連している。

2006年から2015年までに、化学療法に感受性のある成人のPCNSL、SCNSL患者43人がTBCを前処置としたASCTを受けた。このうち28人は、薬物動態学に基づいた用量のブスルファンを投与された。臨床的に関連のあるgrade≥3の非血液毒性数の中央値は5つであった。ASCT前の患者背景とgrade≥3の非血液毒性数が6個以上、との間に関連は認めなかった。ブスルファンの初回投与時にAUCが上昇した患者で毒性の増強はみられなかった。逆説的に、ASCT前に3種類以上のレジメンで治療をされていた患者では初回投与時のブスルファンのAUCが低かった。観察期間中央値は20ヶ月で、ASCT後1年の無増悪生存率と全生存率はそれぞれ83%、87%だった。

中枢神経リンパ腫に対するTBC前処置後ASCTの良好な無増悪生存と全生存が再確認された一方で、この治療戦略は毒性に関する大きな課題を伴っている。