メモ帳

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治療強度が若年DLBCL患者の予後に与える影響

Chemotherapeutic intensity and survival differences in young patients with diffuse large B-cell lymphoma: a Swedish Lymphoma Registry study.

Br J Haematol. 2016, PMID 27790699

www.ncbi.nlm.nih.gov

若年のびまん性大細胞性B細胞リンパ腫(DLBCL)患者は、R-CHOP、R-CHOEP(R-CHOP+エトポシド)、R-HDA/M(大量シタラビンとメトトレキサートを加えた、アントラサイクリンベースのレジメン)など様々な方法で治療される。著者らは、全国的なデータベースであるSwedish Lymphoma Registryを用いて、スウェーデン国内で2007年から2012年までの間に診断されたDLBCL(60歳以下、中枢神経浸潤なし)の751症例の治療成績を、治療内容と医療圏により評価した。全生存率は多変量Cox解析で推計した。

年齢調整IPI (aaIPI) ≥ 2の患者では、5年全生存率はR-CHOP群で70%、R-CHOEP群で76%、R-HDA/M群で85%であり(P=0.002)、aaIPI = 3の患者ではそれぞれ40%、55%、92%だった(P=0.014)。スウェーデンの6つの医療圏の間では、aaIPI ≥ 2の患者の治療について大きな違いがあり、"中等度の治療"(R-CHOP以上)を行う地域が3つ、"強力な治療"(R-CHOEP以上の治療とR-HDA/M)を行う地域が3つあった。aaIPI ≥ 2の患者では、強力な治療を行う地域で治療された方が、全生存率が良好で(P=0.00005)、aaIPI = 3の患者ではその傾向が特に強かった(5年全生存率 62% vs 30%。P<0.00005)。aaIPI < 2の患者では、医療圏による治療の差はなかった。

若年の高リスク患者では、R-CHOPよりも強力な治療を行った方が生存率が良好であると思われた。