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未治療の濾胞性リンパ腫患者に対するR-CHOPとCHOP後地固め放射免疫療法の比較試験(SWOG-S0016) 長期成績の報告

Continued Excellent Outcomes in Previously Untreated Patients With Follicular Lymphoma After Treatment With CHOP Plus Rituximab or CHOP Plus 131I-Tositumomab: Long-Term Follow-Up of Phase III Randomized Study SWOG-S0016.
J Clin Oncol. 2018

目的
SWOG S0016試験は未治療の濾胞性リンパ腫患者を対象に、R-CHOPとCHOP-RIT(CHOPの後に131I-tisitumomabによる放射免疫療法で地固めを行う)の安全性と有効性を比較した第3相試験である。
長期成績を理解することで、濾胞性リンパ腫に対する新しい治療レジメンの性能を評価することができる。

患者と方法
2001年から2008年までの間に未治療の濾胞性リンパ腫患者531人を無作為にR-CHOP群(6サイクル実施)とCHOP-RIT群(6サイクル実施)に割り付けた。進行期患者(bulky病変のある2期と、3期または4期)が対象で、病理学的グレード(1,2,3)はグレードに関わらず適格とした。

結果
観察期間中央値は10.3ヶ月で、推定10年無増悪生存率と全生存率はそれぞれ49%と78%だった。CHOP-RIT群はR-CHOP群と比較して10年無増悪生存率が有意に良好(56% vs 42%; p = 0.01)だったが、10年全生存率については2群間で差がみられなかった(75% vs 81%; p = 0.13)。二次発癌(15.1% vs 16.1%; p = 0.81)、骨髄異形性症候群または急性骨髄性白血病(4.9% vs 1.8%; p = 0.058)の発症率については、2群間で差がみられなかった。二次発癌による10年間の推定累積死亡率は2群間で差がみられなかった(7.1% vs 3.2%; p = 0.16)が、骨髄異形成症候群または急性白血病による累積死亡率はCHOP-RITの方がR-CHOPよりも高かった(4% vs 0.9%; p = 0.02)。

結論
これらの優れた結果から、新たな治療法が長期観察で優位性を示すまで、免疫化学療法は依然としてハイリスク濾胞性リンパ腫患者の標準的な導入療法であるべきである。

 

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