メモ帳

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腎障害を伴った再発・難治性の多発性骨髄腫患者におけるポマリドミド+低用量デキサメタゾン併用療法

Pomalidomide Plus Low-Dose Dexamethasone in Patients With Relapsed/Refractory Multiple Myeloma and Renal Impairment: Results From a Phase II Trial

J Clin Oncol 2018

www.ncbi.nlm.nih.gov

目的
腎障害(renal impairment; RI)は再発・難治性骨髄腫(RRMM)患者における治療の選択肢を制限する。今回、著者らは、中等度から重度のRI(血液透析を受けている患者を含む)があるRRMM患者を対象に、ポマリドミドと低用量デキサメタゾン(LoDEX)の併用療法を前方視的に研究した。

患者と方法
MM-013試験はヨーロッパにおける非比較第2相試験であり、3つの患者コホートを組み入れた: 中等度RI(コホートA; 推定糸球体濾過量 30〜45 mL/min/1.73m^2); 重度RI(コホートB; 推定糸球体濾過量 < 30 mL/min/1.73m^2)、重度RIで血液透析が必要(コホートC)。患者にはポマリドミド(4 mg/日、day1〜21)とLoDEX (20 mgまたは40 mg、週1回)を28日毎に投与した。主要評価項目は全奏功率とした。

結果
登録患者は81人(コホートA 33人、B 34人、C 14人)で、13人はデータ登録終了時点(2017年1月28日)でまだ治療を受けていた。全奏功率は順に39.4%、32.4%、14.3%で、効果の持続期間は14.7ヶ月、4.6ヶ月、コホートCは推定不能だった。重要なこととして、それぞれ100%、79.4%、78.6%の患者で骨髄腫のコントロールができた。観察期間の中央値は8.6ヶ月で、全生存期間の中央値は16.4ヶ月、11.8ヶ月、5.2ヶ月だった。complete renal responseはコホートAの18.2%においてのみ確認され、コホートCの患者は全て透析から離脱できなかった。grade 3または4の血液学的な治療関連有害事象と、治療関連有害事象によるポマリドミド投与中止の発生頻度はコホートCが高かった。ポマリドミドの薬物動態について、3つのコホート間で有意な差はみられなかった。

結論
ポマリドミド 4 mg/日と低用量デキサメタゾンの併用は中等度から重度のRIがあるRRMM患者に対して有効であり、RIがより重度で血液透析が必要な患者にも有効だった。安全性は3コホートいずれにおいても許容可能で、新しい安全シグナルはみられなかった。