メモ帳

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多発性骨髄腫に対するエロツズマブ,ポマリドミド,デキサメタゾンの併用療法

Elotuzumab plus Pomalidomide and Dexamethasone for Multiple Myeloma.

N Engl J Med. 2018 Nov 8;379(19):1811-1822

PMID: 30403938, doi: 10.1056/NEJMoa1805762.

 

背景

免疫賦活性モノクローナル抗体であるエロツズマブにレナリドミドとデキサメタゾンを加えたレジメンは,再発・難治性の多発性骨髄腫患者に有効だった。免疫調節薬であるポマリドミドとデキサメタゾンを併用したレジメンは,レナリドミドやプロテアソーム阻害剤に抵抗性の多発性骨髄腫患者に有効だった。

方法

再発・難治性でレナリドミドとプロテアソーム阻害剤に抵抗性の多発性骨髄腫患者を,エロツズマブ+ポマリドミド+デキサメタゾン(エロツズマブ群)またはポマリドミド+デキサメタゾンのみ(対照群)のいずれかの群にランダムに割り付けた。責任医師が評価した無増悪生存を主要評価項目とした。

結果

117人の患者がエロツズマブ群(60人)または対照群(57人)にランダムに割り付けられた。フォローアップ期間は最短で9.1ヶ月で,無増悪生存期間の中央値はエロツズマブ群で10.3ヶ月,対照群で4.7ヶ月だった。骨髄腫の増悪または死亡についての(エロツズマブ群の対照群と比較しての)ハザード比は,0.54(95%信頼区間[CI] 0.34〜0.86; P=0.008)だった。全奏効率はエロツズマブ群で53%,対照群で26%で,オッズ比は3.25(95% CI 1.49〜7.11)だった。grade 3または4の有害事象で最も多かったのは好中球減少(エロツズマブ群 13% vs. 対照群 27%),貧血(10% vs. 20%),高血糖(8% vs. 7%)だった。両群で65%の患者が感染症を合併した。投与時反応はエロツズマブ群の3人(5%)でみられた。

結論

レナリドミドとプロテアソーム阻害剤での治療が失敗した多発性骨髄腫患者において,エロツズマブ+ポマリドミド+デキサメタゾンで治療された患者はポマリドミド+デキサメタゾンだけで治療された患者と比較して骨髄腫の増悪リスクと死亡リスクが低かった。

(Funded by Bristol-Myers Squibb and AbbVie Biotherapeutics; ELOQUENT-3 ClinicalTrials.gov number, NCT02654132 .).

 

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