メモ帳

自分用のメモです。

CNS-IPIにcell of originを組み込むことで,DLBCLのCNS再発予測精度が改善する

最近は中枢神経リンパ腫の論文を目にする機会が多い気がします。

尚,この論文で用いられているCNS-IPIについては,過去記事も参考にしてください。

kusarenaikai.hatenablog.com

 

Integration of cell of origin into the clinical CNS International Prognostic Index improves CNS relapse prediction in DLBCL.

Blood. 2019 Feb 28;133(9):919-926

PMID: 30617197, DOI: 10.1182/blood-2018-07-862862

中枢神経(CNS)再発はびまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)の中でも予後が悪い。CNS-International Prognostic Index (CNS-IPI)リスクモデルにバイオマーカーを組み込むことで,二次性のCNS病変を生じるリスクが高い患者を同定する精度が改善するかもしれない。第3相試験であるGOYA studyにおいてオビヌツズマブまたはリツキシマブとCHOPを併用して治療されたDLBCL患者1,418人を対象に,CNS再発について解析した。

遺伝子発現プロファイルを用いて,cell of origin (COO)を評価した。BCL2とMYCの発現は,免疫組織染色で解析した。CNS-IPI,COO,BCL2/MYCの発現状況がCNS再発に与える影響を,多変量Cox回帰分析モデルで評価した(利用可能なデータは,それぞれ1,418例,933例,688例)。

CNS-IPIがhigh (ハザード比[HR] 4.0; 95%信頼区間[CI] 1.3-12.3; P=0.02),activated B-cell-like (ABC) (HR 5.2; 95%CI 2.1-12.9; P = .0004),unclassified COO subtypes (HR 4.2; 95%CI 1.5-11.7; P = .006)はそれぞれ独立にCNS再発と関連していた。BCL2/MYCの発現状態は,CNS再発リスクに影響していなかった。

CNS-IPIがhighであるかどうかと(and/or),COOがABCまたはunclassifiedに該当するかを基に3つのリスク群が見出された(CNS-IPI-Cモデル)。具体的には,低リスク(リスク因子なし,n=450[48.2%]),中リスク(リスク因子1個,n=408[43.7%]),高リスク(リスク因子2個,n=75[8.0%])である。2年間のCNS再発率は,それぞれのリスク群で0.5%,4.4%,15.2%だった。

CNS-IPIがhighであるかと,COOがABCまたはunclassifiedに該当するかを組み合わせることで,CNS再発の予測精度が改善し,CNS再発を来すリスクが高い患者群を見出された。

The study was registered at www.clinicaltrials.gov as #NCT01287741.

www.ncbi.nlm.nih.gov