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CLLの治療でイブルチニブにリツキシマブを併用しても無増悪生存率は改善しなかった

Randomized trial of ibrutinib vs ibrutinib plus rituximab in patients with chronic lymphocytic leukemia.

Blood. 2019 Mar 7;133(10):1011-1019

PMID: 30530801, DOI: 10.1182/blood-2018-10-879429

イブルチニブは,経口のブルトン型チロシンキナーゼ阻害剤であり,慢性リンパ性白血病(CLL)に有効な治療薬の一つである。イブルチニブにリツキシマブを併用することでさらなる効果が得られるか否かを確かめるため,著者らは単施設ランダム化試験を実施し,イブルチニブ単独での治療とイブルチニブとリツキシマブの併用治療を比較した。

治療が必要なCLL患者を,イブルチニブ単剤治療(n=104)またはイブルチニブとリツキシマブの併用治療(n=104)のいずれかにランダムに割り付け,28日サイクルで治療した。主要評価項目は,intention-to-treat populationでの無増悪生存(PFS)とした。

イブルチニブ:両群とも420 mg/m2を1日1回投与

リツキシマブ:375 mg/m2を,1サイクル目は週1回,2〜6サイクルは各サイクル1回ずつ投与

208人のCLL患者が参加し,このうち181人は再発患者で,27人は治療歴がない高リスク(17p欠失またはTP53変異がある)の患者だった。フォローアップ期間の中央値は36ヶ月で,カプランマイヤー法で推定したPFSは単剤治療群で86%(95%信頼区間[CI] 76.6〜91.9),併用治療群で86.9%(77.3〜92.6)だった。同様に,奏功率も両群で同じだった(全奏功率 92%)。しかし,末梢血リンパ球数が正常化するまでの時間と,完全寛解に達するまでの時間は併用群の方が短く,さらに骨髄中の残存病変は併用群の方が少なかった。再発,または治療歴のない高リスクのCLL患者の治療においてイブルチニブにリツキシマブを併用してもPFSは改善しなかったと結論付けた。しかし,併用治療を受けた患者は寛解に早く到達し,残存病変は少なかった。これらの結果を踏まえると,イブルチニブ単剤での治療が依然として現時点におけるCLLの標準的治療である。

This trial was registered at www.clinicaltrials.gov as #NCT02007044.

www.ncbi.nlm.nih.gov