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再発CLL患者におけるidelalisib長期投与の安全性と有効性

Final Results of a Randomized, Phase III Study of Rituximab With or Without Idelalisib Followed by Open-Label Idelalisib in Patients With Relapsed Chronic Lymphocytic Leukemia.
J Clin Oncol. 2019 Jun 1;37(16):1391-1402
PMID: 30995176 doi: 10.1200/JCO.18.01460.

目的
再発した慢性リンパ性白血病(CLL)患者を対象としたidelalisib (IDELA)+リツキシマブとプラセボ+リツキシマブのランダム化二重盲検第3相試験は、IDELA+リツキシマブ (IDELA/R)群の治療成績が優れいていたため早期に打ち切られた。
各群の患者は、IDELA単剤による延長試験に参加できた。今回著者らは、当初の試験と延長試験においてIDELAで治療された患者のデータから、長期の有効性と安全性を報告する。

患者と方法
参加患者は、IDELA (150 mg 1日2回)+リツキシマブ (IDELA/R; n=110)またはプラセボ+リツキシマブ(placebo/R; n=110)のいずれかにランダムに割り付けられた。主要評価項目は無増悪生存(PFS)、全奏功率(ORR)、全生存(OS)、安全性とした。

結果
長期間の有効性と安全性は、当初の試験で1回以上IDELAを投与された患者110人について評価した。このうち75人が延長試験に参加した。フォローアップ期間の中央値は18ヶ月で、IDELA/R-IDELA群のPFSの中央値は20.3ヶ月(95%信頼区間 17.3〜26.3)だった。ORRは85.5%(94/110)で、1例が完全奏功を達成した。OSの中央値はIDELA/R群で40.6ヶ月(28.5〜57.3)、placebo/R群で34.6ヶ月(16.0〜未到達)だった。
IDELAの投与期間が長くなると、全grade、grade 2、grade 3以上の下痢(それぞれ46.4%、17.3%、16.4%)、全gradeとgrade 3以上の腸炎(10.9%、6.4%)の頻度が上昇したが、肝臓のアミノトランスフェラーゼの上昇は増えなかった。

結論
IDELAはリツキシマブ単剤と比較して、再発CLL患者のPFSとOSを改善した。長期間のIDELA投与は有効であり、安全性は予測の範囲内だった。長期間の曝露による新たなIDELA関連有害事象は確認されなかった。