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びまん性大細胞型B細胞リンパ腫を対象としたDA-EPOCH-RとR-CHOPの比較試験

Dose-Adjusted EPOCH-R Compared With R-CHOP as Frontline Therapy for Diffuse Large B-Cell Lymphoma: Clinical Outcomes of the Phase III Intergroup Trial Alliance/CALGB 50303.
J Clin Oncol. 2019 Jul 20;37(21):1790-1799.
PMID: 30939090 DOI: 10.1200/JCO.18.01994

目的
Alliance/CALGB 50303 (NCT00118209)は複数のグループが参加した第3相試験であり、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫の初期治療として用量調整EPOCH+リツキシマブ (DA-EPOCH-R)と標準的なR-CHOPを比較した。

患者と方法
対象患者はDA-EPOCH-RまたはR-CHOPを6サイクル受けた。主要評価項目は無増悪生存(PFS)、副次評価項目は奏功率、全生存(OS)、安全性とした。

結果
2005年から2013年までの間に524人が登録され、491人が最終解析の対象となった。患者の大半(74%)がstage IIIまたはIVであり、IPIリスクグループ別の割合は0〜1が26%、2が37%、3が25%、4〜5が12%だった。
フォローアップ期間中央値は5年で、2年PFSはDA-EPOCH-Rで78.9%(95%信頼区間[CI] 73.8%〜84.2%)、R-CHOPで75.5%(70.2%〜81.1%)であり、両群間で統計学的な差はみられなかった(ハザード比 0.93; 95% CI 0.68〜1.27; P = 0.65)。2年OSはDA-EPOCH-Rが86.5%(82.3%〜91%)、R-CHOPが85.7%(81.4%〜90.2%)で、差はみられなかった(ハザード比 1.09; 95% CI 0.75〜1.59; P = 0.64)。
grade 3、4の有害事象はDA-EPOCH-R群の方がR-CHOP群よりも多く(P < 0.001)、感染症(16.9% vs 10.7%)、発熱性好中球減少症(35.0% vs 17.7%)、粘膜炎(8.4% vs 2.1%)、神経障害(18.6% vs 3.3%)などがあった。各群で治療関連死亡が5例ずつ発生した。

結論
50303試験の対象者においては、より強度が高いDA-EPOCH-RはR-CHOPと比較して毒性が強く、PFSやOSは改善しなかった。R-CHOPの治療成績が過去の対照(historical controls)よりも良好であったことから、選択バイアスの可能性が示唆され、特定のリスク集団に結果を適用できない可能性がある。