メモ帳

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未治療の濾胞性リンパ腫患者に対するリツキシマブとレナリドミドの併用レジメン

Short regimen of rituximab plus lenalidomide in follicular lymphoma patients in need of first-line therapy.
Blood. 2019 May 17. pii: blood-2018-10-879643. doi: 10.1182/blood-2018-10-879643.
PMID: 31101627

SAKK 35/10はSwiss Group for Clinical Cancer Research (SAKK)とNordic Lymphoma Group (NLG)が実施した第2相試験(NCT01307605)であり、この試験では全身治療が必要な未治療の濾胞性リンパ腫を対象に、リツキシマブとリツキシマブ+レナリドミドの活性を比較した。
対象患者はリツキシマブ(375 mg/m2 on day 1、1〜4週。効果のあった患者では12〜15週目にも投与)またはリツキシマブ(同じスケジュール)とレナリドミド(15 mgを連日経口投与。18週まで)の併用のいずれかの治療にランダムに割り付けられた。主要評価項目は6ヶ月時点における完全奏功(CR/CRu)率とした。
全体で77人がリツキシマブ単剤治療、77人が併用治療に割り当てられた(両アームともにFLIPIのpoor-riskが47%を占めていた)。6ヶ月時点におけるCR/CRu率は、試験担当医師による評価では併用アームの方が有意に高く(36%, 95% CI 26〜48% vs 25%, 95% CI 16〜36%)、CTのみを用いた独立した評価委員会によるレビューでも確認された(61%, 95% CI 49〜72% vs 36%, 95% CI 26〜48%)。フォローアップ期間の中央値は4年で、併用アームの方が30ヶ月時点でのCR/CRu率が有意に高く、無増悪生存期間(PFS)と次の治療前の時間(TTNT [time to next treatment])が有意に長かった。全生存(OS)率は両群で差がなかった(≧ 90%)。grade 3以上の毒性は併用アームの方が頻度が多く(56% vs 22%)、代表的なものとしては好中球減少があった(23% vs 7%)。
リツキシマブにレナリドミドを加えることでCR/CRu、PFS、TTNTが有意に改善し、毒性も多かったが予測されたもので管理可能だった。両群ともにOSは良好であり、抗癌剤を用いない戦略をさらに探索すべきと示唆された。