メモ帳

自分用のメモです。

高リスクの再発・治療抵抗性B細胞非ホジキンリンパ腫に対する、自家幹細胞移植後CD19 CAR T細胞投与

CD19 CAR T cells following autologous transplantation in poor-risk relapsed and refractory B-cell non-Hodgkin lymphoma.
Blood. 2019 Aug 15;134(7):626-635. doi: 10.1182/blood.2018883421. Epub 2019 Jul 1.
PMID: 31262783 PMCID: PMC6695562

大量化学療法と自家幹細胞移植(HDT-ASCT)は、再発または治療抵抗性(rel/ref)の化学療法抵抗性びまん性大細胞型B細胞リンパ腫に対する標準的な治療法である。この治療法で治癒する患者は、50%だけである。
著者らは、CD19に特異的なキメラ抗原受容体(CAR)T細胞をHDT-ASCTに引き続いて投与し、安全性と有効性を検証した。
この試験の適格条件はpoor-riskの再発または初期治療に抵抗性のaggressive B細胞非ホジキンリンパ腫で、救援化学療法に感受性があり、(1)PET陽性または(2)骨髄浸潤のいずれかを認める患者とした。
対象患者に標準的なHDT-ASCTを行い、その後19-28z CAR T細胞をday +2と+3に投与した。
今回の試験で治療を受けた15人の中で、2つの用量レベルのいずれにおいても用量制限毒性は観察されなかった(19-28z CAR T細胞は5 x 10^6または1 x 10^7 /kg投与した)。
15人のうち10人でCAR T細胞による神経毒性またはサイトカイン放出症候群(CRS)の誘発がみられ、これらはCAR T細胞の持続性と関連していた(P = 0.05)がピークの拡大とは関連していなかった。血清中のインターフェロンγの上昇(P < 0.001)と毒性に関連がみられ、インターロイキン10の上昇についても同様の傾向がみられた(P = 0.07)。
2年無増悪生存率(PFS)は30%(95%信頼区間 20~70%)だった。naive-like (CD45+CCR7+) CD4+、CD8+ CAR T細胞の数が少なかった患者はPFSが良好だった(CD4+ P = 0.02、CD8+ P = 0.04)。CAR T細胞のピークの拡大、持続性、サイトカインの変化とPFSの間に関連はみられなかった。HDT-ASCT後の19-28z CAR T細胞投与は、可逆性の神経毒性とCRSと関連していた。
HDT-ASCTに引き続き、CD4+、CD8+ のエフェクターT細胞を投与することで疾患のコントロールが改善する可能性がある。
This trial was registered at www.clinicaltrials.gov as #NCT01840566.